全国商工新聞

 全商連青年部協議会(全青協)は6月20日、ウェブも併用し、第3回幹事会を全商連会館で開催し、三役・幹事ら28人が出席しました。オンライン学習会(7月17日)を結節点に、消費税減税・インボイス制度中止に向けた署名・対話を旺盛に進めつつ、青年部の魅力を発信し、仲間増やしに取り組むことを確認しました。翌21日には約1千人分を集めた「全国業者青年コロナ影響アンケート」の声をまとめた要望書を手に省庁交渉を実施。「政府に求めたい支援」で大半を占めた「持続化給付金の第2弾」をはじめ、業者青年の切実な要求を7省庁にぶつけ、支援を求めました。

持続化給付金第2弾を

要請に先立ち、あいさつする全青協の佐々木亮議長=6月21日、国会内

 21日の省庁交渉は、参議院議員会館で7省庁と入れ代わりで実施し、現地とオンラインを併せて13人の三役・幹事らが参加。交渉に先立ち、佐々木亮議長があいさつ。「コロナ禍は、経験の浅い業者青年に大きな影響を与えていることが、アンケートで改めて明らかになった。若い世代の声を受け止め、政策に生かしてほしい」と述べました。

臨時交付金活用して地域に合った施策を
経産省・中企庁

 経済産業省・中小企業庁には、持続化給付金第2弾や、持続化と事業再構築の両補助金の対象拡大などを要請。オンラインで参加した山形県青協の阿蘇忍幹事=建設=は「昨年4月以降の創業者は、給付金の対象外。未来をつくる気で頑張る私たちに支援を」と訴える20代の部員の声を紹介。
 庁側は「地方創生臨時交付金を活用し、都道府県で地域の実情に合った施策ができるよう呼び掛けている。月次支援金も活用してほしい」と述べました。
 青年部の学習会などで、持続化補助金採択者の事例を多く見てきた山名孝明副議長=広告・企画=は「採択者が報告書を提出した際、商工会会員でないことを理由に受け取り拒否するところも。改めるよう指導を」と訴え。
 担当者は「運用は公正でなければならない。そういう事例があれば、個別に確認するので教えてほしい」と応じました。また「一定水準を満たした計画は、全て採択するよう運用している。予算ありきの足切りはしていない」と述べました。
 月次支援金の事前確認について、庁側は「無料の事前確認はオンラインで実施し、コールセンターで紹介している。優先的に近隣の登録確認機関を紹介するが、どれも駄目だった場合、最後は必ずオンラインで受けられるようにしている」と回答しました。
 新型コロナ特別貸付について、佐々木議長は「休業状態の飲食店なのに、コロナ特別貸付の返済が始まった。据え置きや返済期間延長のリスケジュール(リスケ)に応じることの周知徹底を」と要望。
 担当者は「貸し付け申し込みも年末まで延長し、リスケに積極的に応じるよう要請している。申し入れがあったものは99%以上延長している。事業者を支えていきたい」と答えました。

ウッドショックはコロナ貸付の対象
国交省・林野庁

 国土交通省と林野庁にはウッドショックへの対応と公共工事設計労務単価が多重下請け構造の中で行き渡らない実態の是正を求めました。森山勇輝副議長=防水工事=は「高次の下請け業者ほど、法定福利費が含まれていない契約が多い。現場を見に行くなど、指導を徹底してほしい」と要望。
 ウッドショックについて、庁側は「中期的には国産材の供給量を増やしていくが、現状は国際的な標準価格で買うしかない。資金繰りが厳しければ、政府系金融機関が行う『新型コロナ特別貸付』の対象になり得る」と説明しました。

事業実態に即して猶予制度活用する
財務省・国税庁

 財務省・国税庁には、コロナ禍で打撃を受けた事業者への納税の猶予・免除、消費税率引き下げと複数税率・インボイス制度の廃止を求めました。
 オンライン参加の伊丹濯副議長=イラストレーター=は「給付金が課税対象とされ、税に連動して保険料が引き上げられた。コロナ被害を受けた事業者に再度『納税の猶予特例』を実施し、免除も検討を」と求めました。庁側は「特例は終了したが、事業実態に即して既存の『納税の猶予』『換価の猶予』で対応したい」と回答。
 財務省は「インボイスは、個人や簡易課税業者としか取引しない免税業者にさほど影響がなく、下請けが転嫁しやすくなるメリットもある」と強弁。参加者から「インボイスはデメリットしかない。免税業者が取引から排除され、大量廃業を生む実態を見ていない」と厳しく批判されました。

国保特例減免には経費書く必要ない
厚労省

 厚労省には、小規模基本法付帯決議に基づく社会保険料の事業主負担分の軽減や、国民健康保険(国保)の事業主の傷病手当支給への財政支援を求めました。
 伊丹副議長は「事業主の傷病手当の支給額算出や失業状態の判定が難しいというが、実態を調べれば分かる」と指摘。
 オンライン参加の滋賀県青協の熊木昭一郎幹事=農機具販売・修理=は「コロナ禍で売り上げが減る中、8月に出産を控えた事業主が収入面で不安を抱えている。自営業者だけを、社会保障の枠外に置かないでほしい」と訴えました。
 省側は「骨太の方針でフリーランスのセーフティネット強化が示されており、どのような対応ができるか、検討を進めていく」と答えました。
 堀田光正副議長=婦人服販売=は「国保のコロナ特例減免申請で経費を書かせる自治体がある。必要ないのでは」とただし、担当者は「国が示している要件では、経費まで出す必要はない」と認めました。

結果を地元に伝え政治を変える力に

 交渉後、感想などを交流。「貴重な体験になったが、官僚との温度差を感じた」「昨年と比較すると、コロナ禍での事業者支援に対する危機感が薄れてきているようだった」などと出し合いました。そして、「コロナ支援策の後退は、菅政権とうたの中小企業淘汰論の反映だ。国の姿勢を改めさせ、中小業者に寄り添った政治に転換させるため、私たちの声を広げていくことが大事。今日の交渉結果を地元の業者青年に伝え、総選挙で政治を動かす力にしよう」と決意しました。

【アンケート結果まとめ】44県青協から980人が回答

【調査期間】2021年4月9日~6月21日
【対象】40歳未満の民商内外の業者青年
【回答数】44都道府県980人
【調査法】ウェブ回答、部会等での書き込み、訪問・郵送・ファクスによる記入依頼

文中の出現頻度が高い単語を複数選び出し、その頻度に応じた大きさで図示する「ワードクラウド」。アンケートの「政府に求めたい支援」(自由記述)では、①持続化給付金の第2弾②消費税率の引き下げ③税金の免除④固定費補助―を望む声が圧倒的でした

 >> 新型コロナ禍から業者青年の経営を守り、支援施策の柔軟な対応と拡充を求める要請と各府省庁の回答(要旨)について


   

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