昨年12月16日、2025年度補正予算案が成立し、総額18兆3千億円余りの総合経済対策が実施されます。自治体が使い道を柔軟に決められる「重点支援地方交付金」を2兆円積み増し、小規模事業者の賃上げ環境整備やエネルギー価格高騰対策支援などを各自治体が、きめ細やかに実施できるようにする―としています。消費税や国民健康保険(国保)料・税、社会保険料の重い負担に苦しむ中小業者の実態に見合った業者支援策となるよう、各地の県商工団体連合会(県連)・民主商工会(民商)は、自治体要請に粘り強く取り組んでいます。
物価高に直接支援を 東商連が東京都に申し入れ

東商連は先ごろ、東京都に申し入れを実施。武田武会長=電気工事=が、燃料費や人件費への直接支援▽助成金などの申請は紙でも受け付けるようにする▽滞納処分は納税者の実情を把握し、事業継続できるよう配慮する▽国保の傷病手当金の実施、子どもの均等割減額の拡大▽紙の健康保険証を残すよう国に求める―など、27項目の要望書を手渡しました。
東京都側は「助成金の手続きで紙の申請を排除しない」「都税滞納処分は納税者の実情を把握して丁寧に実施する」など前向きな回答を一定しつつ、「物価高騰などへの直接支援策は検討していない」とし、売掛金の差し押さえなどの滞納処分の正当性を強調。マイナ保険証に関するトラブルでは、国が責任を持つべき問題と答えるにとどまりました。
要請後、東京都が発表した補正予算には、人件費や物価高騰への直接支援策は運送事業者への少額の燃料費補助があるだけで、業者支援策の目玉は「生産性向上」を名目とした高性能機器の導入支援など、苦しんでいる中小業者が使えない制度です。「都民に対する支援」予算の95%が「東京都公式アプリ(東京アプリ)」対応で、利用できない高齢者などは置き去りにされます。
大型開発に湯水のように税金をつぎ込む一方、中小業者の営業と生活を顧みない東京都の姿勢が浮き彫りになっています。東京都が制定した「東京都中小企業・小規模企業振興条例」や「産業振興中長期ビジョン」では「小規模企業の持続的発展に向けたきめ細かい支援」を掲げています。東商連は引き続き、他団体とも共同しながら、東京都の姿勢を正していくことにしています。
省エネなど独自補助 京商連と京都市内6民商が京都市と懇談会

京都市内の北、南、左京、東山、山科、右京の6民商と京商連は先ごろ、京都市と懇談会を行い、8人が参加しました。山田耕司、河合葉子の両市議(ともに共産)が同席しました。
京商連の久保田憲一会長=スナック=が要望書を手渡し、趣旨説明とあいさつ。中小業者の営業と暮らし、地域経済を守るための支援策拡充を要請しました。
物価高騰の影響を受ける業者への直接支援や、高過ぎる国保料などについて意見交換。市側は、市民生活や事業者の下支えとして「京都市省エネ家電への買換え促進事業(一般向け)」「中小事業者の省エネリノベーション支援事業補助金(事業者向け)」を実施すると表明しました(昨年11月末から受け付け開始)。これまで、重点支援交付金の大幅拡充と柔軟活用を求めてきた運動の成果です。
昨年、値上げされた国保料の引き下げ・減免や、市民の実情を踏まえた滞納処分なども要望しました。
参加者らは「中小業者が直面する危機を打開し、持続的に発展するために、自治体が果たすべき役割は一層重要」と話し合い、自治体への働き掛けを継続していくことにしています。
県連「動向調査」示し 新潟県連など県大運動実行委県に支援要請

新潟県連も加わる新潟県大運動実行委員会は先ごろ新潟県自治会館で、2026年度予算への県要請を実施。民商・県連から9人が参加しました。要請前の全体会で、大運動実行委の共同代表で新潟県連会長の渡部睦夫さん=建築工事=が「物価高騰が続き、県民の生活は苦しい。各団体の要望を届け、目に見える成果が出るよう頑張りましょう」と激励。民商の参加者は9分野のうち、社会保障▽農業▽商工業▽災害対策―で要請しました。
商工業では「LPガス料金高騰対策補助金」の複雑な申請方法の改善や、各自治体の住宅リフォーム助成への県の上乗せ支援、「賃上げ補助金」創設の要望が出されました。県側は「賃上げと同時に、事業者が収益を出せる制度を検討している」などと回答。渡部会長は「小規模振興条例は、商工会や商工会議所だけを関係団体とはしていない。小規模事業者が集まる民商・県連にも意見を聞きに来てほしい」と強く要望。県は「団体によって差別はしない」と回答しました。
社会保障では「国保料の県内統一化」に議論が集中。県側は「統一化で国保料が高くなるとは限らない」など曖昧な回答に終始しましたが、国の言いなりに、2035年までに県内の国保料を統一する姿勢を明らかにしています。
今回の要請では、県連が独自に取り組んだ「営業動向調査」を活用し、業者のリアルな実態を県に届けました。県連は26年度も調査に取り組み、具体的な政策提案で業者の要求実現につなげていく予定です。
要請後に、花角英世知事が東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認したことに対しても、県連として「公約を守り、県民に信を問え」と働き掛けていきます。

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