民主的な税制、税務行政の確立を
「大軍拡と大増税を国民に押し付ける高市早苗政権に立ち向かい、民主的な税制・税務行政の確立へ、全納税者が力を合わせよう」―。全国商工団体連合会(全商連)も加わる第57回3・13重税反対全国統一行動中央実行委員会は13日、国会内で「中央各界代表者集会」を開き、その後、財務省と国税庁、総務省に要請しました。
給付付き税額控除に警鐘 中央各界代表者集会 海外事例から問題点学ぶ


中央各界代表者集会には、中小業者や建設労働者、年金生活者ら58人が参加しました。
全商連の太田義郎会長が主催者あいさつ。「憲法が要請する応能負担に鋭く対立する消費税が導入されて、間もなく37年。税率は3%から5%、そして8%、10%へと引き上げられ、中小業者は、もはや息の根が止められつつある。大企業はますます富み、国民の多くは貧困にあえいでいる。3・13重税反対全国統一行動は、税金の集め方と使い道に対して全納税者の要求を政治に突きつけ、反映させる一大機会だ。団結し、大きな声を上げよう」と呼び掛けました。
立命館大学の望月爾教授が「給付付き税額控除の課題と問題点」をテーマに講演しました。
「給付付き税額控除」が米国や英国、フランス、オランダなどで「所得再分配の強化や貧困層の就労促進、子育て支援を目的として、導入されてきた」経緯を紹介。「受給要件が非常に細かく、納税者が自らが対象かどうかを判断するのが困難」(米、勤労税額控除〈ETIC〉)、「原則としてオンライン申請・管理が義務付けられているため、デジタル格差により低所得者が取り残される」(英、ユニバーサルクレジット)、「調査に利用されたAI(人工知能)のバイアスによって、人種差別や軽微なミスでも『不正』と見なされる事案が発生している」(オランダ、給付付き税額控除)などの問題点を指摘しました。
日本における「給付付き税額控除」導入に向けた議論について「海外の制度にも紆余曲折があり、制度上の問題点や課題も多い。導入に向けた拙速な議論によって、現状の税制や社会保障制度の破壊や混乱を招く恐れがある」と警鐘を鳴らしました。
各団体からの参加者が発言。「倉敷民商弾圧事件(岡山)の禰屋町子事務局員の差し戻し審では、昨年12月の公判で、『脱税』当事者のI建設の社長の妻が”禰屋さんに脱税を頼んでいません”と証言。有罪認定の根拠が大きく崩れた。支援を広げ、禰屋さんの冤罪を晴らそう」(日本国民救援会)、「確定申告書が税務署に置かれなくなり『面倒になった』との声が上がっている。自主申告権を守る運動を進めたい」(全国生活と健康を守る会連合会)、「大軍拡・大増税路線の下で、税務行政が強権化している。民主的な税制、税務行政の確立をめざして力を合わせよう」(全商連)などと訴えました。
公正な税制度めざし 省庁要請
フリーランスもインボイス反対 財務省

財務省では、研究開発減税などの大企業優遇税制を見直し、中小企業の賃上げ支援のための財源を確保せよ▽消費税のインボイス(適格請求書)制度の廃止▽物価高に見合った年金額への引き上げ―などを求めました。
「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)呼び掛け人の小泉なつみさんは、同会が昨年12月から1月にかけて実施したアンケート調査の結果を示し、国会で審議されているインボイスの負担軽減措置の縮小を8割が「評価できない」としていると強調。「回答者の92・6%がインボイスの廃止を求めている。フリーランス、中小業者の苦しみを理解してほしい」と求めました。参加者は「低所得者ほど負担の重い消費税を、社会保障財源に充てるべきではない」「大企業優遇の租税特別措置こそ見直すべき」と次々と発言しました。
省側は、フリーランスや中小業者の苦しみを顧みず「インボイスの廃止は考えていない」と開き直りました。租税特別措置については「税のゆがみを生むものであり、引き続き見直していく」と表明しました。
高市首相や裏金議員を調査せよ 国税庁

「しんぶん赤旗」日曜版(3月22日号)が、高市早苗首相の地元事務所が所得税の「寄付金控除」の対象とならない政治資金パーティー券購入者に対して、「寄付金控除」のための書類を不正に発行していた疑いを報じています。事実であれば、高市首相側に脱税ほう助の疑いがあります。国税庁要請では、同記事を示し「課税徴収漏れに対する情報の提供」を行い「中小業者には厳しく納税を求め、裏金議員の不正は野放しか。いよいよ首相の案件だ。国税庁として調査し、対応せよ」と求めました。
庁側は「情報提供を受けたら、申告の状況等や他の情報が無いか確認する。適正・公平な課税の実現のために、さまざまな機会を捉え、各種資料情報の収集を行い、これらの資料情報と提示された申告書等を分析し、課税上の問題があると認められたら、税務調査を行う」と明言しました。
要請では、e―Taxの強要をやめる▽青色申告特別控除の改定によって、紙で申告する納税者を差別するな▽確定申告書控えの廃止など、デジタル化を口実にした納税者サービスの切り捨てをやめよ―と求めました。
庁側は「国税庁は執行機関であり『税制改正』については答えられない」との回答に終始。参加者が口々に「同じ水準の記帳をしているのに、紙の納税者を差別し、控除額が減らされるのは納得できない」と抗議すると「ご意見は伺っておく」と述べざるを得ませんでした。
住民税基礎控除引き上げを要求 総務省

総務省では①住民税の基礎控除を所得税と同じ水準に引き上げること②個人住民税・法人住民税への累進性導入③滞納税金などの強権的な徴収をやめさせること―を要請しました。
省側は、「公租公課の確実な納付と事業再生の両立」を図るため、「事業再生情報ネットワーク」の運用を進めていると説明。強権的徴収については、今年1月21日付の「事務連絡」で「滞納者の個別・具体的な実情を十分に把握した上で、適正な執行に努めていただきたい」などと地方自治体に周知していると回答しました。
参加者は「強権的徴収を是正すると言うが、実際には徴収優先になっている」(全商連)、「相談できる場所が無いなど、改善されていない」(東京)、「国税では基礎控除が引き上げられたのに、地方税ではそうなっていない」(東京土建)など、実情を訴えました。
各地のとりくみ
「消費税は一律5%以下に減税し、インボイス(適格請求書)制度は廃止せよ!」「確定申告書控えを無くすな!デジタル化を口実に、紙で申告する納税者に不利益を押し付けるな!」「軍拡増税は中止し、国民生活に税金を回せ!」―。第57回3・13重税反対全国統一行動が13日を中心に全国575カ所で取り組まれ、民主商工会(民商)会員ら約5万7千人が参加しました。米国などによる無法なイラン戦争によるガソリン価格の急騰など、諸物価の値上がりが中小業者の営業と国民生活を直撃する中、米国を批判できない高市早苗・自維政権への怒りが街に響きわたりました。国税庁が、昨年の確定申告書控えへの収受日付印の押印廃止に続き、来年からは控え自体を廃止する方針を示すのに対し、「納税者の権利を守れ」と税務署に請願書を提出するなど、津々浦々で声を上げました。中央実行委員会は、国会内で代表者集会を開き、財務省や国税庁、総務省に要請しました。
確定申告書控え残せ 北海道・函館地区集会 黄色のプラカード掲げ行進


「税金は戦争準備ではなく、国民の暮らしに使え!」―。北海道函館市では13日、「くらしと営業、平和を守れ国民大行動函館地区集会」が開催され、160人が参加。黄色のプラカードを掲げて函館税務署までデモ行進し、元気よくアピールしました。主催は、函館民商や全労連・函館地方労働組合会議、年金者組合、新日本婦人の会などでつくる実行委員会。
結婚式場「ベルクラシック函館」(函館市)で開かれた集会で、民商の紙隆光副会長=写真撮影・映像制作=が、会場案内やデモ誘導に奮闘。紙さんは「納税者も高齢化しており、デジタル化についていけない人もいる。インボイスは、もっての外だし、消費税は廃止の一択しかない。”社会保障のため”と言いながら、大企業や大株主の減税の穴埋めと軍拡に使われている実態を伝え、世論を広げたい」と決意を語りました。
受付で署名を訴えたのは、紙副会長の妻・満寿美さんです。「中小業者は、しっかり記帳していますが、申告書の『どこに何の数字を転記するか』といった部分は、得意ではありません。みんなで教え合えるのが民商の良さです。みんな、苦しいけれど税金を払っています。ちゃんと国民のために使ってほしい」と願いを込めました。
主催者あいさつで民商の石川アヤ子会長=不動産=は「労働者をはじめ、各階層の仲間が参加しており心強い。デジタル化を口実に、申告書の印刷を減らし、控えも廃止しようとするなど、税務行政の改悪が止まらない。厳しい中でも納税している中小業者に対し、ひどい仕打ちだ。多くの声を税務署に届け、税務行政の民主化をめざそう」と呼び掛けました。
民商の寺村道治副会長=建築塗装=が集会アピールを提案し、満場の拍手で確認。参加者は、デモに繰り出しました。
寺村副会長は「外注先でインボイスに登録していない職人の消費税分の数十万円分は持ち出しだ。インボイスは今すぐ廃止してほしい。融資や行政への申請では、収受日付印のある確定申告書控えが求められる。押印も復活してほしい」と切実に話していました。
デモ行進にエールが 静岡・沼津地域集会 青年部員先頭に税務署要請


静岡・沼津民商も加わる3・13沼津地域実行委員会は13日、「沼津地域集会」を沼津労政会館(沼津市)で開催。民商会員など約110人が集いました。
受付では、民商青年部の杉山翔一さん=自動車修理・板金=らが、参加者が持参した確定申告書など必要書類をまとめた封筒に、独自の収受日付印を押印。参加者から「税務署が収受日付印を押してくれればいいのに」と怒りの声も上がりました。
沼津民商の小川光一会長=理容=が「会内外で、消費税に苦しむ声が上がっている。食料品2年間ゼロではなく、消費税は一律5%に減税させ、インボイス制度は廃止させよう。一緒に声を上げよう」と開会あいさつ。新婦人沼津支部の高安良子支部長、沼津市平和委員会の島田絢子さんが連帯あいさつしました。
沼津税務署までデモ行進を行い、「今すぐ下げろ!消費税」「今すぐ撤廃!インボイス」などとシュプレヒコール。沿道のインドカレー店から出てきた店員が「税金のデモですよね。頑張ってください」とエールを寄せました。
小川会長は「税務署はデジタル化を推進しているが、その裏で、紙で申告する納税者のサービスが切り捨てられている。税務署をかたる詐欺メールが届くなど、会員から不安も出されている」と話していました。
前出の杉山さんは、沼津税務署で要請書を読み上げる大役を果たしました。「法人なので、この日に申告するわけではありませんが、税の在り方に声を上げるために参加しました。今後も、いろんな場に顔を出したい」と決意していました。
デジタル差別に抗議 福岡・八幡戸畑地区集会 改善求め個人請願書提出


福岡・八幡、八幡西、戸畑の3民商と福岡県建設労働組合、生活と健康を守る会などの14団体でつくる実行委員会は13日、「八幡戸畑地区集会」を開催。北九州市八幡東区の「響ホール」に265人が集いました。
実行委員長で、八幡西民商の坂井大会長=保険代理=があいさつ。「高市政権は、来年1月から所得税の1%を徴収する『防衛特別所得税』を実施予定で、戦争準備を着々と進めています。みんなで、消費税もインボイスも廃止、戦争反対、平和でこそ商売繁盛の声を上げましょう」と力強く訴えました。
戸畑民商の塚本正年会長=電気工事=がリードして「憲法9条を守れ!」「税金は大企業・富裕層から取れ!」などとシュプレヒコール。にわか雨にも負けず、八幡税務署までデモ行進しました。
税務署では、「税務行政の改善を求める個人請願書」を申告書と一緒に提出しました。
請願書の説明など、受け付けで奮闘した八幡西民商婦人部の大谷元子さん=電気機器製造=は「申告書の控えに収受日付印が無いと、融資を受ける際に不利になることも。税務署は中小業者に配慮してほしい」と話していました。
八幡西民商に5年前に入会して以来、毎年3・13統一行動に参加する村松俊介さん=製造=は「インボイスに登録しないと工場に入れないので、やむなく登録した。インボイスは廃止してほしい。『税金は庶民ではなく、稼いでいる大企業から取れ』と言いたい」と駆け付けました。
八幡民商の山下徳雄会長=住宅リフォーム=は「高齢の会員も多く、手書きじゃないと申告できない人も多い。”収受日付印は押さない、申告書は送らない”と一方的にデジタル化を進める税務行政に納得できない。来年の青色申告から、e―Taxか否かで控除額を差別するのも、おかしい。運動で押し返したい」と決意を固めていました。
納税者の権利を守れ 京都・丹後決起集会

京都府の「重税反対丹後決起集会」は13日、「丹後文化会館芝生広場」(京丹後市)で開かれ、丹後民商など5団体の120人が参加しました。
集会では、京都府知事選(4月5日投開票)で京商連も推薦する藤井伸生候補を応援する「つなぐKYOTO2026丹後」から「京都府には、賃上げのための中小業者への直接補助や農業者への所得補償、漁業者支援が必要」と府政転換の訴えもありました。
集会決議では、高市政権に「軍事費より国民の生活のために予算を使うこと」を要求。峰山税務署までデモ行進し、特設窓口で確定申告書を提出しました。
その後、民商の山本正明会長=映像=ら10人が、2月に引き続き2回目となる税務署への申し入れを実施。
峰山税務署に商工新聞を持ち込み、沖縄・北那覇税務署が不当な予納額を求めた事例(1月12日号1面既報)を挙げ、税務運営方針に基づく調査の徹底を求め、峰山税務署の徴収部門の再設置も要望しました。参加者は、半世紀以上続く、年2回の申し入れの重要性を再確認しました。
強権的な徴収やめよ 沖縄・中部集会

沖縄民商などでつくる重税反対全国統一行動・中部集会実行委員会は13日、「中部集会」を沖縄市社会福祉センターで開催。コロナ禍で中断して以来、5年ぶりの集会やデモ行進を行い、民商会員の約9割に当たる750人が参加しました。
集会では、新垣義武会長=住宅リフォーム=が「軍事費拡大で徴税の動きが強まる。会員を増やし、組織を強くして、たたかおう」と呼び掛けました。
沖縄税務署までのデモ行進では、婦人部員が宣伝カーを運転。「消費税を5%に引き下げろ!」「辺野古新基地建設は中止せよ!」などのシュプレヒコールに合わせて声を上げ、プラカードを掲げてアピールしました。
集団申告では、新垣会長がハンドマイクを使って請願書を読み上げ、署員に手渡しました。その後、税務署の敷地内に立てられたテントで、申告書控えに民商独自の日付印を押印しました。
申告した後、民商役員ら約30人が税務署に要請。納税者の人権を無視した税務調査や強制的徴収の改善などを求める要請書に対して、総務課長が「制度に従うしかないので…」などと回答。参加者は「”税務調査の対応を改善した”と言うが、国税事務所長も一度、税務調査担当官の横柄さを現場に見に来たらいい」と述べ、重ねて改善を求めました。

03-3987-4391






