「”大手のサクセスストーリー”はネットなどにあふれているが、中小業者の生の努力や工夫を聞く機会は、なかなかない。来て良かった」―。京都・南民主商工会(民商)は先ごろ「”わたしの商売”語るつどい」を初開催。会外業者を含む20人が参加しました。
京都・南民商 ”商売語るつどい”初開催

木下哲男会長=塗師=が、あいさつ。「民商は今年で創立54周年。会員同士が話はしても、互いの商売の話を突っ込んで聞く機会は無かった。今日は、会員の実践から経営のヒントを得て、商売の発展につなげましょう」と呼び掛けました。
益田真理事務局長が進行し、親から事業を継いだ会員3人が報告しました。
ヘラ絞りの道に

ヘラ絞り加工を手掛ける「谷川製作所」の谷川元章さんは「自分にはサラリーマンは向かんな」とヘラ絞りの道に。「軽い気持ちで始めたけど、修業先の大手工場での仕事が本当にきつくて、父親のすごさを感じました。今は仏具関係の仕事をしています。材料費の高騰もあり、1枚失敗すると、数千円の損失になるので許されない」と語りました。
建設に惹かれて

「小林建設」の小林久也さんは「元はサラリーマンでしたが、休日に父親の仕事をよく手伝っていました。建設の世界に徐々に惹かれて、脱サラ。解体や外構、基礎や足場など、さまざまな工事をしています。商売の基礎をつくってくれた父親に感謝です。もし違う仕事をするなら、建設には関わりたいので、大工をしてみたい」と話しました。
花と両親が好き

「フラワーショップおかだ」の岡田彩智代さんしらかわめは「祖母が『白川女』(京都市左京区の北白川周辺から、四季折々の草花を頭上に載せて京都市内を売り歩いた女性)をしていたので、小さい頃から母と一緒に花に関わっていました。自分が花の商売をするとは思いもしませんでしたが、35歳の時に母から『花の仕事、どうする?』と聞かれて事業承継を決意。花が好きで、一番は両親が好きだったから。別の仕事をするとしても、ブライダルなど花に関わる仕事をしたい」と述べました。
質疑応答で「取引先を怒らさんように値上げするには?」との質問に、3人とも「物価高の認識は広がっているので、材料費などの値上げはできるが、手間賃(工賃)が上がらない…」と共通の悩みを告白。参加者も、工賃を上げる難しさを実感しました。

ポスティングチラシの「折り作業」を請け負う会員の和田勝彦さんは「ここでしか聞けない中小業者の実際の努力や工夫を知れて、良かった」。

民商事務所近くで、ベーカリー「boulangeriepatisseriesakura」を営む会外業者の小田﨑達哉さんは「益田さんに誘ってもらい、参加しました。事業をしている人の話を聞く機会は、普段ないので新鮮でした」。

昨年11月にワインバー・カフェをオープンした会外業者の奥田娟さん(46)は、こんな感想を述べました。
「3人とも、小さい頃から親の働く姿を見て育ったことが事業を継ぐきっかけになったのかな…と感じました。15歳の娘も、そう思ってくれたら、うれしい。民商の皆さんは親切なので、入会を検討しています」


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