消費税のインボイス(適格請求書)制度が、2023年10月1日に強行実施されて、2年。小規模事業者やフリーランスが、新たな税負担や煩雑な事務に苦しんでいます。軽減措置である「2割特例」の廃止と「8割控除」の縮小が1年後に迫った1日、国会前や各地で、県商工団体連合会(県連)などが宣伝やデモ行進を行いました。
せめて負担軽減の延長を STOP!インボイス 国会前で宣伝

「今こそインボイス廃止の決断を」「せめて『2割特例』『8割控除』の延長を」―。「インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)」は国会前で「2割特例、8割控除終了まであと365日STOP!インボイス10・1デモ」を実施。フリーランスや中小業者ら約80人が声を上げました。「インボイス廃止」を参院選の公約に掲げた立民、共産、れいわ、社民、無所属の衆参国会議員(下の別項)らが「野党が力を合わせて、インボイス廃止を実現する」と決意表明しました。
STOP!インボイスの小泉なつみさんは「インボイスは、売り上げ300万円のフリーランスから消費税を10万円も奪う。地域を支える中小業者を追い込んでいる」と糾弾しました。
漫画家の田辺崇さんは「編集者と漫画家が互いに顔色を見ながら仕事している。インボイスは、私たちからチャンスを奪う制度」と告発。酪農家の金谷雅史さんは「インボイス登録した酪農ヘルパーは消費税負担で手取りが減った。弱いものいじめの増税だ」と憤りました。
コラムニストの和田靜香さんは「仕事をしても、食べていけない。自民党には、私たちの苦悩が伝わっていない」と声を上げ、日本音楽家ユニオンの土屋学さんは「コンテンツ産業は、多くの脇役で成り立っている。ここに高い税金、社会保険料がのしかかっている。インボイスを廃止させたい」と訴えました。
参加した国会議員(五十音順、敬称略)
【衆院】上村英明(れいわ)、川内博史(立民)、辰巳孝太郎(共産)田村貴昭(同)、田村智子(同)、福島伸亨(無所属)、藤原規眞(立民)【参院】石垣のりこ(立民)、小池晃(共産)、ラサール石井(社民)
赤字でも納める消費税は廃止に 北海道各界連

北海道連も加盟する消費税廃止北海道各界連は、10人が集まり、札幌大通公園で「怒りの宣伝行動」を実施。マイクを握った北海道連の尾谷幸子副会長は「大企業の内部留保が過去最高の561兆円になる一方、国民の世帯所得は1割以上減少した。消費税の課税事業者は、赤字でも納税を迫られる」と強調。「消費税減税を実現させよう」と訴えました。
署名に応じた人から「食品の高騰が大変。消費税を下げるか、無くしてほしい」との声が寄せられました。
取引先に登録を求められて不安 大阪連絡会

大商連も加わる消費税廃止大阪連絡会は、JR京橋駅前(大阪市城東区)で宣伝を行いました。
小規模事業者やフリーランスら15人から署名が集まり、「1カ月前に事業を始めたばかり。インボイスは廃止してほしい」(アクセサリー製造・販売)、「上からインボイス登録を言われていて、今後が不安」(ジム・インストラクター)などの声が寄せられました。
「何もかも値上がりで、やってられない。減税してほしい」(喫茶店)など切実な実態も語られました。
消費税は5%に県庁周辺をデモ 滋賀県各界連

滋賀県連も加わる消費税廃止滋賀県各界連は、35人が集まり、JR大津駅前で宣伝と集会を行いました。
集会で、県連の喜多健吉会長=機械組立=は「消費税は”社会保障のため”と導入されたが、大企業や富裕層の減税に使われてきた。消費税は減税、インボイスは廃止に」と訴えました。
集会後、滋賀県庁周辺をデモ行進。「消費税は5%に減税せよ」などと元気にアピールしました。
集会や宣伝参加10カ所247人 福岡県各界連

福岡県連も加わる消費税廃止福岡県各界連は、JR博多駅近くで、県民集会を開催。加盟団体や個人、政党から159人が参加し、消費税減税とインボイス廃止を求めました。
県連の田口剛史会長=塗装=は「インボイス制度で、中小業者の負担が増えている。協力して廃止させよう」と呼び掛けました。
同日、北九州や筑豊、筑後地域など、県内10カ所で、集会やスタンディング宣伝が行われ、計247人が参加しました。
一律5%への減税でインボイスを廃止に 各界連宣伝

全国商工団体連合会(全商連)も加わる消費税廃止各界連絡会(各界連)は9月24日、消費税の減税とインボイス(適格請求書)制度の廃止を求める定例宣伝を東京・JR新宿駅南口で実施しました。
東京都内在住の中年男性は「参院選が終わったら、消費税減税に触れない政党もある。物価高のいま、本気で減税に取り組んでほしい」と切実な思いを署名に込めました。
日本共産党の小池晃参院議員が「世界では115カ国・地域で、消費税を引き下げている。日本でも、消費税の減税、インボイス廃止を議論すべきだ。消費税を一律5%にすれば、”複数税率に対応するため”としたインボイス制度導入の口実もなくなる」と力強く訴えました。
約1時間の行動で署名18人分を集めました。

03-3987-4391







