なくせ消費税、所得税法第56条
「赤字でも仕方なくインボイス(適格請求書)を登録したスナックは、2割特例を使っても消費税18万円を納めさせられた」(東京)、「若い人が米軍の性暴力の被害者にされ、本当に許せない。基地は今すぐ撤去を」(沖縄)、「16年かけて担当の全19自治体で56条廃止の意見書を勝ち取った」(北海道)―。全商連婦人部協議会(全婦協)は9月24日、東京・日比谷野外音楽堂で第19回全国業者婦人決起集会を開催。各地の県連婦人部協議会(県婦協)や民主商工会(民商)婦人部から900人の業者婦人が参加し「国民健康保険(国保)に傷病・出産手当を」など切実な要求実現へ声を上げました。集会に先立ち、9省庁への要請や国会議員との懇談、都内2駅での宣伝などを実施。集会後の銀座パレードでは、業者婦人の思いをアピールしました。
6年ぶりに一堂に会し 日比谷野外音楽堂



今回のスローガンは「大軍拡より生活だ!なくせ消費税!なくせ所得税法第56条!」。オープニングのファッションショーでは9県婦協が、「56条は廃止」などをデコレーションしたうちわ、金や青、オレンジなどおそろいのTシャツやエプロン、民商の宣伝のぼりをパッチワークした法被、フラダンスの衣装などで登場。目にも楽しいにぎやかなステージに、婦人部員の母親とともに参加した子どもたちも手を振りました。
子育てに不利と
8歳の娘と一緒に、集会に初めて参加した青森・弘前民商婦人部のIさん=美容・化粧品販売=は、美容関連の会社員から出産を機に独立。「1歳の息子もいます。子育てに融通が利くと思い、自営の道に進みましたが、国保には傷病手当や出産手当が無く、商売をする女性は子育てに不利だと思い知りました。ずっと前から私たちの厳しい状況を、国に伝えたかった」と話します。「つわりがひどくても、業者は休んだ分だけ生活費がマイナスになる。私は病院で注射を打ちながら働きました。傷病手当や出産手当などがあれば、女性経営者も増えるはずです。集会やデモを通じて1人でも多く、56条や国保の問題に興味を持ってもらえたら」と、子どもと一緒に銀座の街を歩きました。
集会では、全婦協の塚田豊子会長が主催者あいさつ。「リアルで一堂に会しての開催は6年ぶり。この間の新型コロナや物価高、インボイス制度など業者婦人を取り巻く厳しい状況を乗り越えて全国の元気な仲間に会えて本当にうれしい。消費税減税・インボイス廃止、所得税法第56条廃止など、私たちの要求を実現するまで声を上げ、仲間と一緒に頑張りましょう」と呼び掛けました。全国商工団体連合会の三戸部尚一副会長が「地域に戻ったら、一人一人に集会の様子を伝え、消費税減税、インボイス廃止の大波を起こそう」と述べました。日本共産党の小池晃参院議員と日本婦人団体連合会の小畑雅子会長が連帯あいさつ。小池議員は「社会や政治を変える力を持っているのが業者婦人です」と激励し、白川容子参院議員を紹介しました。
250人分の思いを
たたかいの交流では、9県婦協が各地の運動を報告。前回の決起集会以降に56条廃止の意見書が採択された16自治体のプラカードがステージ上に掲げられると、大きな拍手が送られました。
門池美奈副会長が集会アピールを提案し、菊地ゆり子副会長がガンバロー三唱で締めくくりました。
山口・岩国民商婦人部のWさん=左官=は、知り合いに声を掛け、56条廃止署名250人分を集めました。「業者じゃない人も、”業者婦人たちの働き分が認められない”と説明したら、趣味のサークルなどで署名を集めてくれた」と自信を深めました。
国会議員要請では、地元選出の国会議員を訪問。自民党の議員には、紹介議員は断られましたが、署名に込められた250人の思いを力にして「56条を、これだけ大勢の人が問題に思っています」と堂々と訴えました。
各地で集会に向けて1人でも多くの署名を集めようと、56条や国保について丁寧な説明を心掛けるなど、懸命な努力が続きました。全国の仲間が署名に込めた願いを政府や国会議員に届けました。