「無予告で税務調査が始まり、署員が暴言を吐く」「経費を税務署が一方的に否認」「2千円の滞納で預金を差し押さえられた」―。強権化する税務署や地方自治体の税務行政により、納税者の権利が脅かされています。
国税庁は、2026年までに全国524ある全ての税務署を対象に、署内で行っている内部事務を国税局の業務センターに集約し、税務署の人員を調査・徴収に集中させる方針を打ち出し、強権化に拍車をかけています。
昨今の税務調査では、個人事業者が事業に必要な経費として計上した接待交際費や旅費などの経費を、税務署が一方的に否認する事例が相次いで発生。ある事例では、接待交際費の領収書に加え、接待の相手や連絡先、目的、使途などが確認できるものを用意させ、提出しないと「経費として認めない」と脅し、提出しても消費税の仕入税額控除を否認し、所得税と併せて更生・決定処分にしました。納税者が計上した経費を否認するのであれば、その立証責任は税務署側にあります。申告納税制度を否定する違法な調査を許してはなりません。
国税や地方税、国民健康保険料・税、社会保険料の滞納を理由に、商売や生活に必要な預金などを差し押さえる強権的徴収も後を絶ちません。背景には、重過ぎる税や保険料の負担に耐え切れない滞納者を大量に生みだし、行政が機械的に処分せざるを得ない状況の広がりがあります。
「鳥取県の児童手当差し押さえは違法」とする広島高裁の判決(13年)を勝ち取って以降、「納税の猶予」や「滞納処分の執行停止」などの納税緩和措置制度を活用し、16年からは納税者の申請による申請型「換価の猶予」も新設されました。”納税者の実情を尊重する”とした政府答弁も生かし、納税者の生存権を守らなければなりません。先の通常国会で可決・成立した25年度「税制改正関連法」の付帯決議で「納税者権利憲章の策定を含め納税環境整備について検討」を行うとされました。今秋に開かれる臨時国会は、消費税減税とインボイス廃止の要求とともに、納税者権利憲章の策定を実現させるチャンスです。「秋の運動」で仲間を増やして飛躍し、要求実現に向けて大きく前進しましょう。