全国商工新聞

 1月22日、核兵器を史上初めて違法化した核兵器禁止条約が発効。「核兵器のない世界」へ大きく前進した、この10年間でした。民商・全商連も、5年ごとにニューヨークで開かれる核不拡散条約(NPT)再検討会議に代表団を送り、毎年の国民平和大行進や原水爆禁止世界大会に、うまずたゆまず参加。米国のビキニ水爆実験(1954年)を機に、東京・杉並民商の業者婦人(鮮魚店)が声を上げて始まった原水禁運動の立役者として役割を発揮しました。

平和でこそ商売繁盛と草の根で運動を続けて

ニューヨークで、民商の法被を着て「平和でこそ商売繁盛」の横断幕を掲げて行進する民商・全商連の代表団
「核兵器禁止条約」批准50カ国を祝い長崎市の平和記念像前で横断幕を掲げる「ヒバクシャ国際署名」をすすめる長崎県民の会や長崎県婦協

 NPT再検討会議には、2005年と10年、15年の3回に渡り、全商連も加わる原水爆禁止日本協議会(原水協)が各1千人前後を派遣。民商・全商連も、署名や募金を集めてニューヨークに代表を派遣し、核兵器禁止署名をアピールしたり、各国政府と懇談して被爆の実相を伝え、核兵器の非人道性、残虐性を告発しました。
 15年の署名提出では、松井一實広島市長らが積み上げた署名の前で「633万6025人」と書いた横断幕を掲げました。最終文書こそ採択できなかったものの、素案で核兵器禁止条約など期限を切った核兵器廃絶の法的枠組みに初めて言及するなど、核保有国を確実に追い込みました。
 山口民商の中野雅美会長=建築=は、05年から3回連続で参加。英文の「平和でこそ商売繁盛」の横断幕を掲げ、核兵器廃絶をアピールしました。
 「イギリスやフランス、アメリカなど核保有国の青年たちとパレードする中で『地雷は条約で禁止したが、一番恐い核兵器は、なぜ禁止しない?』と口々に語っていたのが印象的でした。地球は一つ、と肌で感じました。民商でも毎月の『6・9行動』に取り組み、ヒバクシャ国際署名や日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名を集めています。ヒバクシャを先頭にした内外の草の根の運動が、国際政治の表舞台で核兵器の非人道性に焦点を当てさせ、核兵器禁止条約に結実したと実感しています」
 禁止条約に背を向け続ける日本政府に対し、条約への署名・批准を迫る運動も各地で進んでいます。長崎では、宗教者や学識者、市民団体などで構成する「『ヒバクシャ国際署名』をすすめる長崎県民の会」(県民の会)に県連も参加し、有権者の約半数の50万人分を超える署名を達成。岩手では、県内の全33自治体が禁止条約への署名・批准を求める意見書を可決しました。意見書を採択した自治体は、国内の全1788自治体の3割を超す592自治体に達しています(19日現在)。
 民商・全商連は毎年8月、被爆地の広島、長崎で開かれる原水禁世界大会に多くの代表を派遣。世界大会に向けて毎年5月に出発し、全国各地を網の目のように歩いて、核兵器廃絶を訴える国民平和大行進を地域で支え、コロナ禍以前には全商連と全婦協、全青協の「青旗」をリレーしてきました。新型コロナ感染症拡大の下でも、代表参加で人数を絞る、飛沫が上がらないようスタンディングでアピール、50メートルだけ行進するなど、感染対策を工夫しながら取り組んでいます。
 4歳の時、ヒロシマで被爆した体験を語った東京・玉川民商の豊島孝子さん=工務店=は言います。
 「日本は“唯一の戦争被爆国”なのに、核兵器禁止条約に参加せず、菅政権はアメリカの『核抑止力』に依存し続けています。米中対立が激化する中で、日本は米国との軍事一体化で生き残りを図り、『戦争する国づくり』を進めていますが、それは台湾有事の際のように、北東アジアでの核兵器使用の危険を高めています。若い世代に被爆の実相をもっともっと伝え、秋までに行われる総選挙で、市民と野党の共闘を成功させ、禁止条約に参加する日本政府に変えたい」


 >> 民商・全商連のこの10年(7)納税者の権利を守る

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