7月豪雨被災事業者を支援 「なりわい再建補助金」創設|全国商工新聞

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グループ要件撤廃など簡素化

 7月豪雨災害を踏まえ、政府は被災地支援策として新たに「なりわい再建補助金(新グループ補助金)」を創設することを明らかにしました。全国商工団体連合会(全商連)は5日、中小企業庁から概要の説明を受けました。
 事業所や生産施設、設備の復旧費の最大4分の3を公費で補助する従来のグループ補助金を拡充。手続きを簡素化するほか、複数事業者の申請以外に単独でも利用できるようにしました。
 また豪雨に加え、新型コロナウイルスの影響と、熊本地震など過去の災害で被災した事業者には、5億円を上限に復旧費を全額補助(「定額補助」)する特例も設けています。
 グループ補助金のグループ要件については、実情に合っていないことや、グループを組むことに時間がかかることなどから、全商連はかねてから撤廃を要請し、2018年広島豪雨災害では「2者以上でグループとみなす」と改善も図られてきました。
 同補助金は、「調整中の項目が一部ある」ため、明らかでない部分もありますが、形骸化していたグループ要件が撤廃されたことは、被害実態に合わせた、きめ細かな復旧・復興支援を進めていく上で大きな前進と評価できます。
 また、従来「現状復旧を原則にされていた復興計画についても弾力的に認めていけるよう調整していきたい」と、担当者は説明しました。
 全商連の中山眞常任理事は、「定額補助の要件を地震、豪雨、コロナを3要件とすると、該当する人がほとんどいなくなる。三つのうちの二つにしてほしい」と要望しました。
 6日からは、熊本県内のあさぎり町と芦北町などで地元説明会も始まっています。
 熊本県商工団体連合会(県連)の井芹栄次事務局長は「大規模半壊以上と判定された建物の移転を含む建て替えは対象だが、移転先の土地取得・造成費などは対象にならないなど、改善を求めていきたい点もある。今後、意見集約し、要望項目をまとめていきたい」と話しています。

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