「GOTO」批判やまず|全国商工新聞

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運営不透明 中小恩恵乏しい

 「運営が不透明」「恩恵を受けるのは大手だけ」-。新型コロナ感染症の影響で落ち込んだ観光業界を支援する政府の「GoToトラベル」キャンペーンをめぐって、中小旅行会社や中小ホテル旅館業者から批判の声が上がっています。

事業者に直接支援を

「GoTo」キャンペーンは大手旅行会社を中心に配分されています(写真と記事は関係ありません)

 政府・国土交通省が推進する「GoTo」は、運営事務局をJTBなどの大手旅行会社や日本旅行業協会など7者によるコンソーシアム「ツーリズム産業共同提案体」が担います。当初、経産省が事務経費3095億円の総合事務局を公募し、高額と批判されたため中止。3事務局に分けて公募し直した結果、同コンソーシアムが委託費用1895億円で請け負うことになりました(事務局委託費の上限とされたのは2294億円)。
 事務局による運営は不透明との批判の声が、関係業者から上がっています。
 問題の一つは、「GoTo」に予算計上された1兆500億円の配分が事務局任せになっていること。「全体の2割弱は前年の販売実績に基づいて仮配分」されたため、大手中心の配分になりました。
 残り8割の具体的な割り当ての計算方法や基準は公表されていません。
 第二の問題は、同事業に登録済みのホテルや旅館は、8月10日時点で1万5917事業者で、全国約4万9千軒の3割程度にとどまっていることです。
 大手旅行会社が企画する旅行商品に組み込まれたホテル・旅館には予約が入る一方、制度が複雑なため中小の登録が進んでいません。
 都内の中小旅行会社の営業部長は、「キャンペーン事務局が8月より大幅増員され、ようやく電話がつながるようになった。事務局に人を出しているのは大手4社のみ(JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、東武トップツアー)です。枠配分の基準も示されていない。癒着と利益還流の可能性は否定できない」と指摘します。
 「派遣(出向)社員には、日当として1日2万円以上の委託費が払われるといわれています。中小のところでは仕事がなく自宅待機になっている従業員も多い。中小にも事務局の出向を割り当ててほしい」と話します。
 観光振興策として、税金を投入して旅行の奨励を図ることは、コロナ禍で苦しむ関連業者の救済には不十分です。地方へのコロナ感染拡大になりかねないキャンペーンは凍結し、苦境にあえぐ事業者に直接支援を行う必要があります。

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