登録は9月末で大丈夫。実施前なら「取り下げ」できます。
①取引先からインボイス登録要請「登録しないと10%の値引き」と言われたが…

一方的な値引き通告は、優越的地位の乱用=独占禁止法に抵触する恐れがあります
 取引先からの登録要請には「消費税負担の計算や簡易課税を選択するかどうか悩んでいます。迷惑をかけないようにするので待ってほしい」と伝えましょう。

 全商連は2022年6月17日、「一方的な要請は優越的地位の乱用では」と対応を確認。 財務省・国税庁は、公正取引委員会の「考え方」を示して「独占禁止法上問題となるおそれがある。よく話し合ってほしい」と回答しています。
②課税業者が免税業者と取引した場合 、「8割控除」できるって?
「8割控除」の経過措置※を取引先に知らせよう
※2026年9月までです
 課税業者が免税業者と取引した場合、支払った額の8割分の消費税額は仕入税額控除(売り上げ分の消費税から差し引くこと)ができます。

 例えば、インボイス発行事業者(課税業者)に330万円支払った場合、仕入税額控除額は30万円になります。免税業者に支払った場合でも24万円を売り上げ分の消費税から差し引くことができます。消費税負担の違いは6万円で取引金額(330万円)の1.8%程度です。

 この経過措置を取引先に知らせて「インボイス登録しなくても取引継続になった」という声も寄せられています。

③取引先に言われるままインボイスを登録したが…?
大丈夫!実施までなら「取り下げ」「再申請」が可能
 「インボイス実施(2023年10月1日)前なら、登録申請の取り下げは可能」「2023年9月30日までに登録申請していれば、10月1日以後に交付された番号を取引先に伝えればよい」―国税庁が全国商工団体連合会(全商連)に回答しました。

 登録すると消費税の課税業者になります。個人事業者の場合、2023年10月~12月分の消費税申告が求められます。▼消費税負担がどれくらいになるのか、▼簡易課税と一般課税のどちらを選択するかなど検討が必要です。

 全商連は税理士の協力も得て、「取り下げ書」を作成しました。「あわてて登録してしまった。もう少し検討したい」など、実施までなら登録申請の「取り下げ」「再提出」は可能です。民商にご相談ください。

▼下の取り下げ書の書式をご活用ください。
 提出先は、「インボイス登録センター」です。


民商へのご相談はこちらから

最寄りの民商を探す
④「激減緩和」措置で負担は減るの?
政府・与党の「激減緩和」策で負担は解消されません
 与党税制調査会が検討する「激変緩和」策※は時限措置にすぎず、「免税事業者が課税事業者になることによって、新たに事務負担と消費税負担が発生する」という根本問題は解消されません。

※「激変緩和」策とは:
 ①3年間は納税額を売り上げにかかる消費税額の2割に軽減する
 ②6年間は売上高1億円以下の事業者の場合、1万円未満の取引はインボイスがなくても仕入れ税額控除を可能とする)
⑤登録しなくてもいい? 「免税のまま」も……
登録はあくまで任意です
 インボイス登録は取引の実態や取引相手の対応などを見て決めましょう。取引先がインボイスを必要としない消費者や「簡易課税」制度を選択している事業者なら、インボイスを求められることはありません。

 住友不動産グループ、鹿島建設、大林組、童心社などは、取引先にインボイス登録を強要しないと発表しています。

そもそもインボイスって?
インボイス制度とは

 消費税は、売り上げ分の消費税から、仕入れ・経費分の消費税を差し引いて、納税額を計算します。仕入れ・経費の消費税が引けなければ、消費税の納税額は大きく膨らんでしまいます。

 インボイス制度の下では、取引相手から事業者登録番号が明記されたインボイスが求められます。それがないと、取引相手は消費税の納税額から、仕入れ・経費に掛かる消費税を差し引くことが、認められなくなるからです。

 インボイスは、8%と10%の税率ごとに金額をまとめた領収書・請求書です。経過措置(~23 年9 月30日)を経て、本格実施が始まります。

免税業者にも課税業者にも重大な影響あり!
インボイスは、取引を通じて事業者をお互いに“けん制”させることで、
消費税の免税業者にも、課税業者にも、重大な選択を迫ります!
①免税業者:年間売上1000万以下でも消費税を納めることに?
②課税業者:免税業者と取引を続けられない?
免税業者も消費税を納めることに!?負担はいくら?
課税業者になるか? or 事業縮小・廃業するか?

能見 宇多江さん


消費税の免税業者は、課税業者になるか、取引をあきらめるか、消費税分を値引きするか、を迫られます。

能見 宇多江(のみ うたえ・スナック)

免税だから関係ないでは済まされない!!
飲食店、一人親方、フリーランスも免税ではいられない? ●自動計算シートをダウンロード

 消費税の免税事業者は、登録番号が発行されず、インボイスが出せません。そのため、取引先や親請け、業務委託元から取引を断られたり、課税事業者になるよう求められたりすることが懸念されます。

 ★課税業者になった場合の負担が試算出来ます>>自動計算シートをダウンロード
 赤字でも納税が求められる消費税は、厳しい経営に追い打ちを掛ける、過酷な税金です。小規模な事業者ほど受け取ることが困難です。領収書の保存や記帳、税額計算など、分かりにくくて手間のかかる事務負担も伴います。

 免税点や簡易課税は、小規模な事業者の過重な納税協力負担を避け、最低生活を保障するよう設けられている制度です。その趣旨が、さらに生かされることこそ大切です。
お悩み「取引先から登録するよう言われたけど」>>詳しく読む


「2割特例」が使えます

 納める消費税額が、売り上げの消費税の2割になる特例があります。こちらも計算してみましょう。

 ただし3年間の特例です。3年後は自動計算シートで算出した額を納税することになります。



登録すればこんな負担が・・・
①インボイス登録で消費税の課税業者に

 年収300万円のアニメーターの場合、ほぼ1カ月分の所得を失うことになります。



②事務負担が激増

 6項目を明記したインボイスの発行、インボイスの保存(最低7年)、「インボイス記載の番号が登録されているか、取引先が簡易課税を選択しているか」の確認、修正・返還のたびにインボイス発行など、大変な事務負担を伴います。

課税業者免税業者とは取引を続けられない!?
「インボイス登録して」とも言いづらい…
取引を続けられ
なくなる? or 事消費税を自分がかぶる?

内立 泰三さん



消費税の課税業者は、本則課税の場合、仕入れ・外注・業務委託など、免税業者との取引にかかる消費税を、自分が被るか、取引先を見直すか、を迫られます。

内立 泰三(うちたて たいぞう・工務店)

本則課税業者は取引先の選別を強いられる
課税業者は、免税業者と取引できない?

 消費税の課税事業者(本則)は、インボイス制度の下で、消費税の仕入控除ができるよう、取引相手が消費税課税かどうかを確認し、対策を取るよう迫られます。

 財務省はインボイスの目的を「納税者同士で相互けん制を図る」と説明(全国中小業者団体連絡会交渉 2018年9月21日)。事業者を互いに監視させて、免税業者をあぶり出そうというものです。インボイスは、信頼に基づく取引関係を変質させる、まさに消費税による“いんぼう”です。業界大手はすでに、下請業者や業務委託先に「いずれ課税業者になってもらう」と圧力をかけ始めています。


外注先に「登録して」と言いづらい・・・

 「8割控除」の経過措置や「2割特例」を参考に、今後の取引をどうするか話し合うことが大切です。

インボイス制度は、消費税負担を売り手、買い手、消費者の誰かに押し付け合う増税策です。

一番の解決策はインボイスの中止です!

・取引先から登録するよう言われた
・「登録しないと消費税分を払えない」とも言われた
 など、既にインボイスでお困りの方

ご意見・ご相談フォーム
インボイスQ&A解説
署名の力でインボイス廃止に!
消費税7つの問題
STOP!インボイス

お問い合わせ

03-3987-4391
フォームはこちら