国家情報会議設置法案が衆院可決 「スパイ防止法」の成立阻止を|全国商工新聞

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 高市自維政権は「国家情報会議設置法案」を衆議院で可決させました。インテリジェンス(情報収集・分析、特に秘密裏の諜報活動)機能を強化するとして、司令塔となる「国家情報会議」と、実務を担う「国家情報局」を新設するものです。反対は、共産党など一部野党にとどまり、中道改革、国民民主、参政、チームみらいなどの協力も得て今国会で成立させ、早ければ7月ごろの組織発足をめざします。
 法案の狙いは、戦争遂行に向け、反対世論を抑え込むための国民監視体制の強化です。戦争する国家づくりの土台として年内成立を画策する「スパイ防止法」の一環です。
 スパイ防止法の策定を進める背景には、安倍政権時に成立させた「安保法制(戦争法)」で集団的自衛権の行使を容認し、米軍と一体になった自衛隊の軍事行動強化があります。軍事技術の流出に危機感を持つ米国は「特定機密保護法」の強化など、秘密情報の保護を迫ってきました。政府は米国のCIA(中央情報局)を念頭に「対外情報庁」の設置なども検討しています。
 スパイ防止といえば、諸外国の職業的スパイ活動などをイメージし、それらを取り締まるものと想像しがちですが、最大の問題は市民の人権が侵される危険が高まることです。スパイ防止を口実に、広範囲に秘密を指定し、政府や大企業に不都合な事実を隠し、国民の知る権利を奪うことが危惧されます。平和や反戦の運動など、国民を監視し、プライバシーを侵害する懸念が拭えません。
 2005年には、当時イラク戦争のさなかに陸上自衛隊情報保全隊が、自衛隊のイラク派遣に反対する市民や団体、政党、著名人、ジャーナリストなどを監視していたことが明らかになっています。市民らが起こした裁判では「憲法が保障する思想・信条の自由を侵し、人格を侵害する」と、違憲性を断罪する判決が出されています。
 政府は「経済安全保障推進法」「経済秘密保護法」など、中小業者にも関わる法律を成立させてきました。スパイ防止法が市民を弾圧し、自由な商売を奪うものであることを広く知らせ、国家情報会議設置法案の廃案、スパイ防止法の提案阻止へ、運動の強化が求められます。

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