【事務局長に聞く】今年の民商・全商連運動 強く大きな民商で要求実現を|全国商工新聞

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牧伸人全商連事務局長に聞く

 昨年7月の参院選で、消費税の減税・廃止を求める政党の獲得議席が、減税に反対する自民・公明与党(当時)の1・5倍となりました。物価高騰が生業や暮らしに響く中、消費税の減税やインボイス(適格請求書)制度廃止の世論は高まり、世論と運動を強めれば、中小業者への直接支援などを実現できるチャンスが広がっています。2026年の民商・全商連運動を、どう進めるか。牧伸人事務局長に聞きました。

自維政権の悪政転換へ

―今年の抱負を聞かせてください

 明けましておめでとうございます。と言っても、残念なニュースが多く、暮らしも、営業もままならないことも多いですが、黙って見ているだけで、良くなることはありません。全国の商工新聞読者、民商会員の皆さんと力を合わせて充実した一年に、と改めて意を強くしています。
 全商連は昨年11月22、23の両日、全商連会館で第6回常任理事会を開催し、決議「平和と暮らし、商売守る運動を強め、仲間を増やして、自維政権の悪政転換を」を採択しました。

消費税減税を突破口に

―どんな内容ですか

 決議は、2025年9月までの倒産が7629件に上り、休廃業・解散は過去最多の24年を上回る5万2300件に上ることを明らかにしました。一方、大企業は24年度までの12年間で利益を4・6倍に、株主配当を2・8倍に激増させ、内部留保は1・5倍の561兆円に膨らませたと告発。大企業は、自社株買いや黒字リストラなどで株価をつり上げる一方、賃金を据え置き、消費を停滞させました。大企業の自社株買いは、この13年間で3倍の38・9兆円に達しました。昨年、リストラを実施した大企業は6割が黒字で、パナソニックは利益4千億円超を上げながら、従業員1万人を削減します。
 空前の利益を上げる大企業や大株主・投資家を、政府は優遇しています。大企業には法人税の実質負担率を中小企業の約半分にとどめ、富裕層ほど所得税の負担率を下げる「1億円の壁」があります。決議は「消費税増税や社会保障の改悪を繰り返して国民負担を増大させてきた自民党政治こそ、30年に及ぶ経済停滞を招いた原因」と指摘しました。
 米国に追随し、5年間で43兆円もの大軍拡計画を、2年も前倒しで推進する高市早苗政権は”台湾有事”などの危機をあおり「軍事産業を経済戦略の重点」に据え、日本を「死の商人国家」に変質させようとしています。軍需大企業向け予算を膨張させ、中小企業や社会保障の予算に大なたを振るう構えです。
 決議は、高市自維政権の悪政を転換する突破口として「消費税減税とインボイス廃止で家計を温め、中小業者を重税の苦しみから解き放ち、大企業のため込み利益を国民・中小業者に還元させることこそ、この国が進むべき道であり、中小業者の危機打開につながります」と喝破しました。
 そして「世直し人助けの民商」を知って知らせる宣伝・対話・相談に大いに打って出ようと呼び掛けました。その助け合いから民商運動の新たな担い手を生み、仲間を増やす気概を燃やす民商と、集まって話し合う班・支部の再建・強化を呼び掛けています。

「二つの危機」を打開し

―民商を強めるとは?

 全商連は昨年来、中小業者の経営継続と民商の存続が危ぶまれる「二つの危機」を打開しようと「組織の再建・強化に関する支援の考え方と特別措置」を提案し、学習・討議と支援策の活用を促しています。
 「二つの危機」は、中小業者の営業と生活の危機、民商会員と商工新聞読者の減少に歯止めがかからない危機であり、中小業者を支える民商の再建・強化なくして危機は乗り越えられないと訴えています。
 地域の中小業者が民商に魅力を感じ、民商運動に共感を寄せるのは「自らの要求に民商が応えてくれる」からです。会員の拡大や紹介が広がるには、困り事が解決されたり、希望がかなうなど、自らの要求が実現することが必須です。中小業者の頼れる相談先として、民商の存在が当事者に伝わってこそ、民商とつながる機会も生まれます。
 組織の持続的な前進には運動の担い手づくりが欠かせません。自分の悩みや不安、新たな挑戦に向き合って一緒に悩み、考え、時には一緒に行動してくれる”助け合う仲間”がいるからこそ「今度は自分が役立ちたい」「次は助ける側に」と新たな役員が生まれます。事務局の次の担い手も、こうした運動を進める中で育ちます。
 会勢の前進に意欲を湧かすことも欠かせません。前進の意欲は”地域の多数を結集し、中小業者の営業と生活、権利を守る政治に変える”という民商運動の目的を共有することから生まれます。消費税や国民健康保険、社会保険料などの重い負担、大企業優遇と不公正取引など、中小業者の営業と生活の困難は、政治の在り方と密接に結び付いています。各政党・会派が、中小業者の切実な要求をどう実現させ、どんな政策を持っているか、知って知らせる活動を進めましょう。

躍動生み全商連総会を

―全商連総会の年ですね。

 5月23~24日、神戸市内で、全商連第57回定期総会を開催します。読者・会員で「56回総会時現勢突破」「対象業者組織率8%以上および26年1月からの純増」などの達成組織の表彰を準備しています。消費税減税をはじめ、国民の暮らしを最優先する政治に転換するため、躍動を生み出しながら民商を強く大きくしていきましょう。
 中小業者は、太平洋戦争のさなかに営業を禁止され、戦後は国による強権的な徴税に苦しめられました。この痛苦の経験を今につなぐ「平和でこそ商売繁盛」を前面に、戦争する国づくりを断固阻止する運動も大きく進めます。
 この1年間、お互いに健康にも留意し、ともに頑張りましょう。

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