CAD導入へ 新会員が補助金に挑戦 名古屋北部民商 「自作の計画書」援助|全国商工新聞

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 「掘削工事などに使うCADソフトを導入する費用の一部として、『名古屋市中小企業デジタル活用支援補助金』に挑戦したい」―。名古屋北部民主商工会(民商)新会員のFさん=浄化槽工事=は5月17日、こんな相談を民商に持ち掛けました。これまで何度も補助金を獲得し、補助金申請に詳しいSさん=スノーボード製作=と、松原裕子事務局長が応対しました。
 この日は、Fさんが作成した事業計画書をSさんに見てもらい、アドバイスを受けました。Sさんは開口一番、「文章量が少ないと思います。私が事業計画書を出した時は『もっと、たくさん書くように』と言われました。たくさんのライバルの事業計画書の中で目立たないといけません」と助言しました。
 そこで、Fさんの事業である浄化槽工事について、じっくり聞いてみると―。Fさんが、浄化槽は将来的に有望で、今後、工事がますます増加すると考えていることが分かりました。
 「都市部では、下水道が整備されているが、過疎地では、そうではないので、仕事の引き合いが、たくさんある」「全国的に、高度成長期に整備された上下水道の耐用年数が切れてきて『全ての職人が休まず仕事をしても、更新には何百年もかかる』といわれ、今後、漏水事故などが起きる可能性が高い。災害対策としても浄化槽は見直されている」…
 Sさんは「浄化槽を巡る、そうしたエッセンスを、事業計画書に肉付けしたら、どうでしょうか」とアドバイス。
 補助金申請書の各項目についても、聞かれていることをよく理解して、適切に回答することが重要だと助言しました。Sさんは面接の際、職員から「文章が巧み過ぎますが、本当に自分で書きましたか」と尋ねられたことがあったそうです。
 「事業計画書作りを、コンサルタントなどのプロに任せる人が多いですが、僕に言わせれば、自分で自らの事業を見直すことが何より大事です。求められている問いに適切に答えることも、商売人として大切なことではないでしょうか。仮に、人の力を借りたとしても”骨組み”の部分だけでも、なるべく自分で作るべきだと思います」

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