
「不公平な税制をただす会」は5日、東京都内で定時総会を開きました。東京大学の鈴木宣弘特任教授が「トランプ関税と日本の経済と安全保障」と題して記念講演。共同代表の浦野広明税理士が基調報告し、「少数与党の国会で消費税を減税する機運が出てきている。消費税減税を実現する要は市民運動だ」と提起しました。
鈴木教授は、自民党政治の下で「『自動車産業の利益のために食と農を差し出す生贄政策』と『目先の農水予算削減しか見ない財政政策』が行われ、農産物の輸入増と国内農業の縮小、自給率低下を招いてきた」と告発。「お金を出せば、食料を買える時代は終わった。不測の事態に国民の命を守ることが『国防』なら、地域農業を守ることこそ安全保障」と強調しました。
「消費税を増税し、法人税や所得税の減税の穴埋めに充てて、大企業と富裕層を優遇する政治の弊害がコメ騒動となって表れた。こうした政治では、いざという時、国民の命を守れないことが明白となった」と指摘し、「破綻した新自由主義政策を一掃して、抜本的に国家戦略を再構築する必要がある」と「食料安全保障推進法」の制定を呼び掛けました。
浦野広明・共同代表は「2024年の衆院選で自公与党が過半数を割り、自公政権が進めてきた消費税中心の税制を改めて、消費税を減税する機運が出てきた」と指摘。「消費税減税は、食料品ゼロ%ではなく、全ての生活費にかかる消費税を一律5%に引き下げることこそ最善策だ。減税のための財源は、総合累進所得課税などで約58兆1497億円の新たな財源を確保できる(同会の財源試算)」と強調しました。「野党共闘分断と政労使一体路線に対抗し、消費税引き下げをつかみ取る要は市民運動だ」と述べ、「この夏の参院選で政治を変え、消費税減税を勝ち取ろう」と呼び掛けました。
総会は共同代表に、浦野税理士を選出しました。