国税庁は今年1月から、確定申告書控えなどへの収受日付印の押印廃止を強行しました。同庁は「行政機関や金融機関への各種届け出で、収受日付印が無くても受け付けるよう要請した」と説明。しかし、各地の行政機関や銀行などから、収受日付印が押印された確定申告書控えを求められ、民主商工会(民商)会員が不利益な扱いを受けるトラブルが相次いでいます。
金融機関「指導した」と言うが
東京・玉川民商会員=印刷

東京・玉川民商の山本忠雄さん(仮名)=印刷=は、3月上旬に確定申告書を提出。その後、融資の返済期間を延ばしてもらおうと、借り入れした金融機関と交渉した際、「2024年分の確定申告書控えを持って来てください」と言われました。後日、申告書控えと申告書提出時に税務署から渡された「本日、書面で提出された申告書等を受け付けました」と記載された「リーフレット」を持参して金融機関に出向くと、「申告書に税務署の収受印が押していない。これでは駄目です。納税証明書を持ってきてください」と言われ、「リーフレット」を見せても、「駄目」でした。
山本さんは、仕方なく納税証明書を取ることに。その際、税務署の職員に「『金融機関に指導した』と言っていたじゃないか。ところが、納税証明書を要求された。こういうことが不安だったから『収受日付印を押してくれ』と求めたんだ」と抗議し「きちんと金融機関を指導してほしい」と要請しました。
署側は「私たちは1月以前に、金融機関をきちんと指導した。納税証明書など別のものが必要というのは、それぞれの金融機関の判断だ」と無責任な対応に終始しました。
「提出確認できない」と居直り
埼玉・戸田民商会員=不動産
埼玉・戸田民商の安達武さん(仮名)=不動産=は3月26日、西川口税務署から「3月25日時点で2024年分所得税の確定申告書の提出が確認できていない」との文書が届きました。
3・13重税反対全国統一行動の集団申告で、確定申告書を提出した安達さん。その際に不足書類があったため、不足書類を示した紙と「リーフレット」をもらい、リーフレットに民商作成のハンコを押して帰りました。安達さんは、その日のうちに、不足書類を持って再び税務署に。受付窓口の署員が、提出した不足書類を無造作にファイルにしまい、書類ボックスに入れる様子を目撃しました。
署員が書類を無造作に扱う様子に憤りを感じる中で送られてきたのが、「確定申告書(本体)の提出が確認できない」との文書でした。安達さんはすぐに税務署に電話し「3月13日の集団申告では、5番受付で、確かに確定申告書を提出した」と猛抗議。「そこまで確認していなかった」と平然と答える署員に「確認もせず、提出が確認できないとは、どういうことか」と怒りをぶつけましました。
控えに収受日付印が押印されていれば、今回の場合も、確定申告書を税務署に提出したことを、証明できるはずでした。