岩手県大船渡市大規模山林火災 被災した仲間を助けたい 宮古民商 募金やコメ届ける 「ありがとう」と笑顔に|全国商工新聞

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4日に顔を合わせた宮古、大船渡両民商の役員と事務局員
宮古民商の崎尾誠会長(右)から募金を受け取る、大船渡民商婦人部のSさん
いまだに焦げた臭いが漂う綾里地区

 「ありがとう。頂いた募金と支援物資は、山火事で被災した仲間に届けます」―。岩手・宮古民主商工会(民商)は4日、岩手県大船渡市で発生した大規模な山林火災に見舞われた大船渡民商を支援に訪れ、喜ばれました。

 宮古民商の崎尾誠会長=自動車整備=を先頭に8人が、宣伝カーなどを1時間半ほど走らせ、大船渡民商を訪問。宮古民商の会員から寄せられた募金10万円と、岩泉町で畜産業を営む会員から提供してもらったコメ約230キロを届けました。
 大船渡民商では、民商・民商婦人部役員らが応対。役員のSさんは、火災被害こそ免れたものの、避難指示を受けた赤崎地区で鉄工所を営んでおり、長期の避難生活を強いられました。崎尾会長が募金を手渡すと「ありがとうございます」と笑顔に。火災被害を受けた会員6人をはじめ、避難生活などで困難に直面している会員に、支援物資を届けてもらうことになりました。
 宮古民商のメンバーはその後、甚大な被害を受けた赤崎、綾里地区を視察。赤崎地区では、火災発生時に船外機(漁船に装着する取り外し可能なエンジン)の「火事場泥棒」的な盗難が相次いだことから、入るのに警察の検問を受けました。同地区では、焼失した住宅が数件あり、3月9日の「鎮圧」宣言から1カ月近くたっても、いまだに焦げた臭いが漂っていました。綾里地区へ向かう道中でも、てっぺんまで黒焦げになった木や焼失した家や車が見られ、かなり広範囲な火災だったことを実感しました。
 想像以上の被害を目の当たりにした宮古民商婦人部の小向リツ子さんは「『三陸フェーン大火』(1961年に宮古市などで発生した山火事)を思い出し、涙が出た」と語り、他の参加者は「早く復旧してほしい」と話しました。宮古民商は引き続き、大船渡山林火災の支援活動を続けていくことにしています。

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