2026 年上期営業動向調査 仕入れ値高騰が4年続く 価格転嫁「1割未満」が4割|全国商工新聞

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利益も上がらず

 「2001年の調査開始以来初、4年にわたる仕入れ値高騰で価格転嫁が困難に」「4者に1者が低価格・単価を余儀なくされる」―。全商連付属・中小商工業研究所は先ごろ、2026年上期(3月)営業動向調査の結果を公表しました。
 今期(26年上期)の営業動向調査は、全体(全回答者計)で売上DI値は▲37.1(前期▲39.5)、利益DI値は▲47.5(前期▲49.0)と、水面下の深い位置で推移しています。長期的に見ると、単価・マージンDI値(8.9)は横ばい傾向で、原材料・商品の仕入値DI値は83.9と、8期(4年)連続で80台という高い値が続いています。これほど長期間にわたり、仕入値DI値が高いのは、2001年上期からの本調査開始以来、初めてのことです。「原材料の値上げが止まらない。下請け単価に反映できない」(土木工事)、「物価高で仕入れが大変になり、利益が少なくなっている」(一般飲食店)など切実な声が寄せられています。
 かつてない原材料・商品の仕入値長期高騰の実態をより詳細に把握するため、同研究所は今期、モニターを対象に①この半年間の原材料・商品の仕入れ値の上昇割合②価格や単価にどの程度転嫁できているか③現在の価格・単価は事業継続に適正な水準か―などを聞く「価格転嫁に関する特別調査」を実施しました。
 その結果、仕入れ値の上昇では「1~2割」(60.0%)、価格転嫁では「1割未満」(40.7%)が最も高く、価格転嫁が困難な状況が浮き彫りになりました(図)。現在の価格・単価は「やや低い水準だと思う」が52.8%に上り、4人に1人(24.0%)が「とても低い水準だと思う」と答え、低価格・低単価を余儀なくされている実態が明らかになりました。

値上げで予約減

 自由記述欄には「仕入れ値上昇分を上げてというのは簡単だが、その後の予測がつかない」(卸売)、「取引先と交渉し、単価を上げてもらったが、要求通りにはならなかった」(機械製造)、「車両や修理部品の高騰に運賃が追い付かない」(運輸)、「メーカーは一片の通知で1~3割を値上げしてくる」(設備工事)、「値上げを告知した途端、予約が2割減に」(専門サービス)、「ゼネコンの下請けで値上げ交渉しているが、十分反映されない」(土木工事)など幅広い業種から、切実な声が上がっています。
 こうした状況下で、ホルムズ海峡封鎖による資材の高騰や調達困難など、中小商工業者の自助努力では解決できない上に、長期化すれば事業継続も危ぶまれる事態が進行しており、政府による緊急支援が求められています。

DI値

 ディフュージョン・インデックスの略語。企業の景況感などを「良い」「悪い」といった定性的な指標で数値化したもの。「良い」と回答した企業割合(%)から「悪い」と回答した企業割合(%)を差し引いた値。

【調査概要】
〈調査期間〉2026年2月13日~3月18日
〈有効回答〉566人(調査対象モニター人数:47都道府県940人、有効回答率60.2%)
〈回収方法〉郵送記入
〈業種構成(新6業種分類)〉建設業(建築設計含む)30.6%、食料・繊維・木製品・印刷関連製造業8.8%、金属製品・機械器具製造業13.3%、流通・商業20.0%、宿泊・飲食業8.1%、サービス業19.2%
〈事業形態〉個人60.8%、法人39.2%
〈事業規模(事業主本人を含む全従業者数)〉1人23.9%、2~3人41.2%、4~5人16.1%、6~9人12.0%、10人以上6.9%

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