さいたま市が突然「移転」から方針転換 食肉卸売市場を廃止へ|全国商工新聞

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中小業者に悪影響必至 埼玉県連など撤回求め学習会

「食肉中央卸売市場・と畜場」の廃止を考える学習会で報告する岩渕友参院議員(共産)
さいたま市「食肉中央卸売市場・と畜場」(さいたま市ホームページから)

 さいたま市は昨年11月、市が設置した「食肉中央卸売市場・と畜場」の移転再整備事業を中止し、2028年度をめどに同施設を廃止すると発表。農水省も「報道で承知した」という突然の一方的な廃止方針に対して、畜産業者や飲食業者に衝撃や怒りが広がっています。

 「さいたま市食肉中央卸売市場・と畜場の廃止問題を考える会(廃止問題を考える会)」は先ごろ、「『廃止』を考える学習会」を浦和コミュニティセンター(さいたま市浦和区)で開催。川口民主商工会(民商)、県商工団体連合会(県連)の5人を含む50人が集いました。中央卸売市場による公正な価格形成や、小規模生産者、流通業者を守る公的役割などを確認し、市場の廃止による地域循環経済への影響などを学びました。
 昨年12月18日の農林水産委員会で、この問題を取り上げた日本共産党の岩渕友参院議員が報告。関係者への影響は計り知れないとして、市に廃止を撤回させるよう国に強く求めた国会質疑の内容を紹介しました。
 「国に廃止撤回を求め、鈴木憲和農水相も『廃止ありきではなく、市と関係者との合意形成状況を注視し、必要な指導と助言を行う』と答弁した。国も公共市場の存在の重要性を認めている」と強調しました。
 こうした重要な公的施設を市が一方的に廃止できる背景に、第2次安倍政権による卸売市場法改悪(2018年)があると告発。卸売市場の整備計画に関する規定を削除し、国が全国に市場を配置する責任を放棄。市場の廃止に必要だった農水相の認可も廃止し、通知と届け出だけでできるようにしたことがあると説明しました。
 参加した食肉業者は「病気による国産豚の出荷停止が相次ぐ中、2018年からは中国の、昨年はイタリア、スペインの輸入が病気の影響で止まっている。食肉は5割以上を輸入に頼り、この間の価格高騰で、小規模業者の廃業が相次いでいる。食料需給の観点からも中央市場の廃止は、やめさせなければならない」と憤りました。
 廃止問題を考える会の立ち上げメンバーで、県連の岩瀬晃司会長(全商連副会長)は「畜産業だけでなく、皮製品加工や流通、飲食業など多くの地域産業に影響のある大問題だ。民商としても、商売に影響の出る会員、業者からの声を集めて、廃止の撤回に向け、運動していかなければならない」と決意を語りました。
 廃止問題を考える会は「市場廃止の撤回と施設の存続に向けた丁寧な協議を求める」紙とオンライン署名に取り組むことにしています。

>> オンライン署名はこちら

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