
「今年4月に改正された建築基準法の内容をしっかり学び、実務上の負担や顧客の費用負担をなるべく回避しよう」―。広島・福山民主商工会(民商)は先ごろ、「改正」建築基準法学習会を開催し、建設関係の会員ら13人が参加しました。法改正の要点を学ぶと、実務への不安や、顧客への費用負担増を懸念する声が上がりました。 4月に施行された「改正」建築基準法により、これまで建築確認申請が不要、もしくは一部省略されていた建築物にも確認申請が義務付けられ、地域の業者に影響が出ていることを受けて開催したもの。講師は、「㈲広島県東部建築確認センター」代表の藤原良通さん。藤原さんは、福山市役所建築指導課の元職員です。2003年に同センターを立ち上げ、市内の建築確認を行っています。市職員時代から商工新聞を購読し、民商とつながりがあったことから、快く講師を引き受けてくれました。 「改正」のポイントとして①都市計画区域内外にかかわらず、2階建て以上の木造建築物は確認申請が必要②200平方㍍以下の木造平屋建築物は建築確認が不要③10平方㍍以下の新築・増築や歴史的建造物、文化財は省エネ基準への適合義務がない④木造建築物のリフォームでは、骨組みを残す「スケルトンリフォーム」や、大規模な修繕・模様替えが確認申請の対象となる―と説明。建築確認の申請は複雑で、専門知識を要するため、設計事務所などに依頼する必要があり、その費用が顧客の工事代金に上乗せとなり、受注減につながる恐れがあることを指摘しました。 その後、質疑応答に。実務対応への不安を語る参加者に、藤原さんが「確認申請が必要かどうか分からない時は、遠慮なく連絡してください」と名刺交換。参加者は心強い相談相手を得て「民商に入っていて良かった」と一安心していました。

建築確認申請
建築物が、安全性や耐久性、防火性や衛生性など、法令で定められた基準を満たしているか、確認を受ける手続き。建築主は、地方公共団体や指定確認検査機関に確認申請書(設計図書を含む)を提出し、これらの建築確認を受けて、確認済証の交付を受けなければ建築することができない。