自主申告サポーター学校 危機打開する運動推進の契機に|全国商工新聞

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 長引く物価高騰や税・社会保障の負担増、税務行政のデジタル化で調査・徴収の強権化が進むなど、商売と暮らしの危機が高まっています。民商・全商連は、商売や暮らしの実態を数字で正確につかみ、経営の危機を打開する「自主記帳・自主計算・自主申告」運動を推進してきました。民商や班・支部などで開催される簿記学習会や領収書整理会への参加を強め、経営力を高める取り組みを一層広げなければなりません。全商連は、昨年に続き「自主申告サポーター学校」を10月1日から全6回にわたってオンラインで開催します。中小業者の自主申告を支援するサポーターを各地で募って参加登録し、視聴するよう呼び掛けています。
 自主計算活動は、資金繰りなど経営対策に結び付き、自らが地域で果たす社会的役割を再認識し、権利意識も高めます。税金や社会保険料などを自ら計算することで、生活費に食い込む重い負担を強いる税制や社会保障の矛盾を実感し、政治の民主的変革を求める原動力になります。横暴で不当な税務調査・徴収を正確な記帳ではね返し、強権的な税務行政を正していく力にもなります。民商などでは毎年、複雑化していく税制に対応するために、確定申告前の数カ月間に申告学習会などを重ねて開催。記帳や申告方法などを学び合う中で、自主申告サポーターが活躍して商売人同士の交流も進み、「こんな集まりなら毎日でも参加したい」と歓迎されます。
 一方で、昨年4月1日に税務相談停止命令制度が施行され、今年1月からは確定申告書等の控えへの収受日付印の押印を強引に廃止し、納税者の分断が狙われています。憲法に保障された「納付すべき税額が、納税者のする申告により確定する」(国税通則法第16条)申告納税制度を守るためにも「自主記帳・自主計算・自主申告」運動の推進が求められます。
 2025年度の「税制改正関連法」の付帯決議では、税務行政において納税者の権利利益の保護を図るため「納税者権利憲章の策定」についての検討が盛り込まれました。自主申告サポーター学校の開催を契機に、商売と暮らしの危機打開の運動を強化し、納税者の権利確立を求めていきましょう。

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