
第7回いのちとくらしを守る税研集会が8月2日、東京都内で開かれ、民主商工会(民商)関係者ら176人が集いました。主催は全国商工団体連合会(全商連)も加わる同実行委員会。
東京税財政研究センター理事長の岡田俊明税理士が「インフレ増税NO消費税・所得税の減税へ―そして税務行政はどうあるべきか」と題して記念講演しました。「消費税の減税要求について、参院選で野党の一致を見たのは大きな前進だ」と強調。「『納税環境の整備』の名目で、納税者の権利を侵害する方向で環境が急変しつつある」と報告し、「納税者権利憲章が必要であり、消費税減税と
インボイス(適格請求書)廃止のためにも、秋の臨時国会に向けた納税者の大きな運動を」と呼び掛けました。
インボイス制度を考えるフリーランスの会(STOP!インボイス)の小泉なつみさんが、フリーランスらを対象に行った1万人の実態調査を報告。「消費税・インボイス制度は個人の尊厳を踏みにじり、『税制で死を考えさせる』ほどの異常な税制」と告発。「人権と平和が守られてこそ、暮らしと命は守られる。皆さんと一緒に運動を進めたい」と表明しました。
納税者権利憲章をつくる会(TCフォーラム)の石村耕治・共同代表(白?大学名誉教授)が「課税庁の文化を変える納税者権利憲章(法)制定に再挑戦しよう?納税者支援調整官の法制化とパッケージで!」をテーマに報告。「『納税者は義務を負うと同時に、権利を守ってもらえる』ことを”保証”する『納税者権利憲章』が必要だ」と強調しました。
「国税徴収現場から」として、滞納処分対策全国会議の佐藤靖祥事務局長(弁護士)が報告。国税庁、総務省に要請した結果に触れ、滞納処分の在り方ついて「滞納者の実情を踏まえて差し押さえの範囲を決めているので、生活保護水準以下になることはない」などの国税庁の見解を聞き、「総務省・自治税務局の機械的・一方的な”滞納処分ありき”の姿勢を正すことができた」と述べました。
会場からの意見交換で、長野・飯田民商の奥田節子さん=建設=は「うちの会社は本則課税。でも、狭い地域で、インボイス未登録の取引先を排除できず、その分の消費税負担をかぶっています。物価も上がる中、さらに消費税納付が増える。消費税を納めるために積み立てをしており、本当に頭に来る」と発言。「とにかくインボイス制度を廃止させたい」と語りました。
参加した熊本民商の牧田和明さん=建築材料卸売=は「地域では、インボイスによって中小業者が消え、社会保障費削減によって病院ですら消えている。『いのちとくらしを守る』という視点から、地域社会をどう守っていくか、運動を進めたい」と感想を語りました。