大阪国税局業務センターの誤入力が原因 誤った更正処分訂正さす|全国商工新聞

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奈良県税事務所に抗議 申告書に収受印あり迅速に

 奈良県内で今年3月、大阪国税局業務センターが法人税のデータを誤って入力したことが原因で、県税事務所が民商会員に対して、誤った更正処分を行うという決してあってはならない事態が発生しました。

奈良民商会長浜中達也さん=製菓

毅然と抗議して誤りを認めさせた浜中さん

 奈良県税事務所から誤った更正処分の通知を受け取ったのは、奈良民主商工会(民商)の浜中達也会長=製菓=です。浜中さんが営む法人の「濱中商事㈲」宛てに3月27日、法人県民税などの「更正・決定通知書」(所得や税金に誤りがあった場合に行われる処分)が届きました。
 全く身に覚えのない更正処分に驚いた浜中さんはすぐに、県税事務所に経過を問いただしました。その結果、大阪国税局業務センター阪神分室から誤った法人所得のデータが届き、それを”うのみ”にした県税事務所が誤った処理を行ったことが判明しました。
 浜中さんは、申告書を提出した奈良税務署に電話をかけ「法人税の申告を正しい金額でしているのに、なぜ県税事務所からこのような通知が届くのか。納税者の権利を守る民商への嫌がらせではないのか」と抗議しました。
 ところが、税務署は「処理は、大阪国税局業務センターで全て行っているので、すぐには分からない。調べて、改めて連絡する」との回答に終始。翌日、同業務センターの「責任者」を名乗る職員から「数字を間違えて入力し、県税事務所に送ってしまった。申し訳ない。再発防止に努める」と連絡がありました。その後、収受日付印のある法人税の申告書も示したところ、県税事務所も誤りを認め、5月20日、正しい所得金額に訂正された更正・決定通知書が法人宛てに送られてきました。

デジタル化に伴う不利益を許さずに

 デジタル化を口実にした収受日付印の押印廃止や、e―Tax申告への誘導、以前は税務署内で行っていた内部事務を業務センターに集約するなど、国税庁は納税者の権利を侵害する一方的な税務行政のデジタル化を進めています。
 民商は「マイナ保険証の誤った”ひも付け”のように、税務行政のデジタル化や効率化のしわ寄せで、納税者が不利益を被ることは、あってはならない。一方的なデジタル化をやめさせ、納税者の権利を守らせるために、税務行政をしっかり監視し、改善を求めることが一層大切になっている」と会員に呼び掛けています。

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