「納税者が作る申告書はいい加減」

不当な税務調査に対し、民商の仲間と一緒に、川口税務署に抗議し、暴言を吐くなどの担当署員を変更させることができて、ホッとした」―。埼玉・川口民主商工会(民商)は9月27日、草加支部の飯田義友さん(仮名)=建設=への不当な税務調査に対し、川口税務署に抗議と調査中止を要請しました。署側は10月23日、不当な調査の事実を認め、謝罪。その後、暴言を吐き、高圧的な調査を行った担当署員を変更しました。
飯田さんへの税務調査は、9月11日に行われました。民商役員5人が立ち会ったところ、事前通知をせず、約束の時間も守らず、「納税者本人が作る確定申告書は、いい加減な申告だ」と暴言を吐く始末。立ち会いを排除した後も高圧的な調査を続け、飯田さんが記帳補助者に話を聞くことも拒否し続けました。
要請は、飯田さんをはじめ、役員や税金対策部員ら11人が参加し、署側は総務課長と課長補佐が応対しました。飯田さんは、納税者の権利を無視した不当調査に対して、担当者に謝罪を求め、調査中止を求める請願書を提出。民商から、担当署員が行った不当事例9項目を記した請願書を提出し、調査中止と担当署員の免職を要求しました。
要請では、「調査の実施に当たっては(中略)納税者の理解と協力を得て行う」とした、国税庁長官が職員に対する訓示として示した「税務運営方針」を、担当署員が全く順守していないことを指摘。「法律で定められた事前通知が行われていない調査は無効であり、中止すべき」と強く求めました。署側は「事実確認をしていないので…」と回答を拒否し続けました。
事前通知11項目 改めて実施する
10月23日、飯田さんと役員ら10人が税務署を訪ね、回答を求めました。総務課長は、担当署員への事実確認を踏まえ、不適切な言動があったことを認め、担当署員が直接、飯田さんに謝罪しました。さらに、調査時に求めても行わなかった「事前通知の11項目」も、上司の統括官が改めて実施。署側は、当初、かたくなに拒んでいた担当署員を変えることも了承。後日、担当署員が代わったとの連絡が正式にありました。
飯田さんは「調査中止にはなりませんでしたが、高圧的な担当署員を代えてもらえただけでもホッとした」と一安心しています。