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国保料軽減の運動交流 オンライン全商連第9回経営対策交流会

222カ所で視聴された全商連の第9回経営対策交流会

 中小業者に重くのしかかる国民健康保険(国保)料・税の負担軽減を―。全国商工団体連合会(全商連)は8月22日、「高すぎる国保料・税~負担軽減対策」をテーマに第9回経営対策交流会をオンラインで開催。全国222カ所で視聴されました。

第1部 改善の成果 地方議員が報告

 第1部は、各地の国保改善の成果を、群馬県渋川市の角田喜和市議、茨城県の江尻加那県議、大阪府能勢町の中西顕治町議(いずれも共産)の3人が報告しました。

子どもの均等割相当する支援金

 角田市議は、渋川市が実施した18歳以下の子どもの均等割額に相当する支援金(一人3万5千円)を独自に助成する制度創設(本紙6月3日号1面既報)を紹介。「民商や市の社会保障推進協議会(社保協)など、各団体の要請が実現の力になった」と語りました。

国と県の交付金活用し全額免除

 江尻県議は、議会の質疑で、大井川和彦知事から「国の未就学児に係る均等割軽減と合わせて、子ども一人当たり約2万5千円の負担軽減を図る考えだ」との答弁を引き出したことを紹介。「国と県の交付金を活用して、取手市と鹿嶋市は全額免除、かすみがうら市は『応援金』として一般会計から支給するなど、32市町村で18歳以下の均等割の減免を図っている」と述べました。

基金など活用し健康増進支援金

 中西町議は、能勢町がコロナ禍や物価高騰に苦しむ町民に対し、国保基金と繰越金を活用して健康増進支援金を1人当たり1万5千円給付する制度創設を報告(本紙7月1日号3面既報)。国が「社会保険の適用拡大」を進める下で、「国保加入者が減少し、国保制度が一層ゆがめられる」と指摘。「国保財政への公費投入を大幅に増やすなど、国民の受療権を保障する抜本改善が必要」と訴えました。

第2部 各地の実践 民商・県連から

 第2部は、国保改善運動に取り組む3組織が実践報告しました。

保険料統一化の改悪モデル告発

 奈良県商工団体連合会(県連)の柴田勝久事務局長は、全国に先立ち、保険料水準の統一化の流れをつくった「奈良モデル」の実態を告発。「医療提供は県民の受益」という発想で、医療改悪と一体に国保改悪が進められていると指摘しました。県社保協に結集し、自治体キャラバンで国保改善を求めた取り組みを報告しました。

統一化延期させ期日明記させず

 沖縄県連の知念三四し 志事務局長は、県社保協で国保改善の中心的役割を担い、2024年度からの保険料の統一化を延期させた運動を報告。自治体キャラバンを行い、全国知事会をはじめ全自治体が主催した「国保制度改善強化全国大会」での「宣言」に「被保険者にこれ以上負担を求めることは極めて困難」と明記されていることを伝えて懇談。「県の国保運営方針に完全統一化の期日を明記させないことにつながった」と述べました。

集団減免申請と要請で成果続く

 大阪・守口民商の佐木真事務局長は、30年以上にわたる集団減免申請と守口市への要請を報告。府の完全統一化に伴い、減免制度が改悪された下でも、「減免申請を出したら、すぐ減免が決まる」などの成果を維持している、と述べました。
 全商連の中山眞常任理事は、国保基金などを活用した国保加入者への給付金などの支給制度創設▽国保料・税の完全統一を中止させるために国保運営協議会に働き掛ける▽減免基準の拡充―などを求めて自治体要請を強めようと呼び掛けました。
 視聴した民商からは、「国保加入者自身の行動が重要だ」(青森民商)、「『商売を続けられる国保』へと転換させなければと思った」(岩手・宮古民商)などの感想が寄せられました。

次回10月11日(金)価格転嫁対策

 次回の第10回経営対策交流会は10月11日(金)午後6時から「私の価格転嫁対策」をテーマにオンラインで開催します。

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