【談話】大軍拡・大増税の撤回とインボイス中止・消費税減税を要求する|全国商工新聞

全国商工新聞

2022年12月17日
全国商工団体連合会
事務局長 岡崎民人

 16日、岸田政権は「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の防衛3文書を閣議決定し、与党税制調査会が2023年度「税制改正大綱」(税制大綱)を取りまとめた。
 防衛3文書は、他国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)を日本が保有することや、2027年度に現在の国内総生産(GDP)比2%に軍事費を増大し、23~27年度の5年間で「43兆円程度」を費やすことを明らかにした。反撃能力として核兵器も搭載可能な米国製の巡航ミサイル・トマホークをはじめ、地対艦誘導弾の能力向上、イージス・システム搭載艦など大軍拡計画を打ち出している。集団的自衛権の行使を容認する安保法制下で、日本が攻撃されていなくても米軍の指揮のもとで日米が一体となって先制攻撃に踏み込む危険を高めるものである。国民に信を問わないまま「専守防衛」を投げ捨て、戦後日本の安保政策を大転換する企てを断じて許すわけにはいかない。
 税制大綱は激増する軍事費を賄うために法人税や復興特別所得税、たばこ税の増税で1兆円強を確保する軍拡大増税計画を明示した。歳出改革の名で、社会保障費を削減するなど憲法25条に反する財政計画を絶対に認めるわけにはいかない。消費税減税を望む世論に背を向ける一方で、さらなる税率引き上げの突破口となるインボイス実施も大問題である。インボイスに反対する世論に押されて打ち出した「負担軽減」策は時限措置に過ぎず、免税業者に煩雑な実務と新たな消費税負担を押し付けるという根本問題は何ら解消されない。
 ロシアのウクライナ侵略で明らかなように、軍事対軍事で平和はつくれない。いま必要なことは軍事的緊張をエスカレートさせる大軍拡ではなく、憲法9条を生かして戦争の火種を消し去る外交努力である。コロナ過や物価高騰で疲弊する国民・中小業者をさらに苦しめる政府方針は言語道断である。
 全商連は、「平和でこそ商売繁盛」を信条とし、生活費非課税・応能負担の税制の実現を追求する中小業者の団体として、日本を戦争する国へと変貌させ、憲法9条の破壊を決定的にする防衛3文書を直ちに撤回することとあわせ、インボイス中止と消費税減税を強く要求する。 

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