北海道旭川市 現金給付で支援 旭川民商 要請実り活用呼び掛け|全国商工新聞

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 「旭川市への申し入れが実り、運送事業者への支援が決定。車両5台で10万円を申請した」「北海道の支援金に市が上乗せ給付してくれ助かる」―。旭川市の「貨物自動車運送事業者支援金」と「旭川市事業継続支援金」が喜ばれています(いずれも申請期間は23日まで)。旭川民主商工会(民商)が市に業者の実態を訴え、要請していたものです。要請に参加し、支援金を申請した会員の喜びの声を紹介します。

物価高騰に助かる【貨物自動車運送事業者支援金】

小林義幸さん=運送

「一回きりの支援に終わらせない運動が必要」と語る小林さん(画像一部加工)

 運送事業者への支援金を11月5日に申請しました。軽貨物車両を5台保有しており、1台当たり2万円で計10万円になります。
 市への申し入れ(8月3日)では、燃料費のみではなく、タイヤ代やオイル代、車両の価格自体も値上がりしている厳しい実態を訴えました。
 私の仕事は郵便局からの委託運送で、配達1件で幾らの世界です。誤配による違約金もある厳しい業界です。自社での配達ではまかなえない分を、下請け業者に回して切り盛りしていますが、車両関連の経費を負担させるわけにはいきません。下請けに辞められたら、仕事が回らなくなってしまうからです。燃料高騰分などを単価の引き上げで何とかまかなってきました。
 市は、運送業者の苦しい状況をくんで支援を決定しましたが、国は業者を見捨てているように見えます。一回きりの支援に終わらせない運動が必要です。

貨物自動車運送事業者支援金

▽対象者=左記の要件を全て満たす事業者
 ①旭川市内に本店または営業所のある中小企業者または旭川市内に住所または営業所のある個人事業主
 ②2022年9月30日以前から貨物自動車運送事業法で定める、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業のいずれかを営業しており、今後も事業継続の意思がある事業者であること
 ③対象車両(緑または黒ナンバーで貨物用途、事業用など)を使用していること
 ④申請者(代表者)、役員または使用人その他の従業員もしくは構成員等が旭川市暴力団排除条例に規定する暴力団および暴力団員もしくは暴力団関係事業者に該当しないこと

▽給付額=1事業者上限150万円
 一般貨物および特定貨物自動車運送事業・対象車両1台につき3万円
 貨物軽自動車運送事業・対象車両1台につき2万円

訴えが市に通じた【旭川市事業継続支援金】

千代谷幸寿さん=クリーニング

仲間にも活用を呼び掛けている千代谷さん

 8月に、運送業の小林さん(上の記事)たちと市に対する「コロナ禍と資材高騰に対する業者支援」の要望に行きました。その結果、10月に「道支援金の上乗せ支援5万円(個人事業)」が実施されることになり、うれしかったです。
 旭星支部の仲間にも「千代谷さんが行ってくれて、ありがとう」「合わせて10万円(個人)なら申請しよう」などと言われ、要望して本当に良かったと思いました。市への申し入れは初めてで、「何を着て行ったらいいのか…」と緊張しましたが、業者の大変な状況を伝えたいと強く思っていました。
 クリーニング業の私も、原油高騰の影響をじかに受けています。売り上げも落ち込んでいる中、資材の高騰は本当にきつい。水道光熱費はもちろん、衣服にかけるビニールやハンガー、洗剤なども仕入れ先からの値上げを知らせる通知は、ファクス1枚で容赦なしです。「何とかして」と言うすべもありません。
 道の支援金の締め切りが12月23日まで延長され、市の上乗せ支援金も延長されました。せっかくできた支援金なので、皆さんに積極的に申請してほしいです。

旭川市事業継続支援金

▽対象者=北海道が実施する「道内事業者等事業継続緊急支援金」(道支援金)の給付決定を受けており、法人の場合、本店(本社)が旭川市内にある事業者、個人事業者の場合、住所が旭川市内にある事業者

▽給付額=道支援金(法人10万円、個人5万円)に上乗せして、法人10万円、個人5万円
※道支援金への上乗せ給付のため、申請不要

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