年末の資金繰り対策 「借りて商売続けよう」の運動を|全国商工新聞

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 新型コロナの拡大後、3回目の冬を迎え、多くの中小業者は、コロナ禍を乗り越え、商売を続けようと奮闘しています。各地の民商で取り組んでいる経営対策交流会や相談会活動の中でも、「資金繰り」の要求が強くなっています。しかし、全国の企業倒産件数は、4月から7カ月連続で前年同月を上回っています。東京商工リサーチが発表した10月の倒産状況では、負債額1千万円以上の倒産件数は596件、そのうち「新型コロナ関連倒産」は230件で、2カ月連続で最多を更新。中小企業の倒産が100%です。
 全国中小業者団体連絡会(全中連)の省庁交渉で(7日)、「中小業者に対する融資は、従来の枠を超えた施策が必要」との要望に対し、金融庁は「新型コロナの長期化や円安・物価高の中、9月9日に中小企業庁等との連名で、『中小企業活性化パッケージNEXTを踏まえた事業者支援の徹底について』を発表」「新規融資・追加融資、既往債務の条件変更など、連名文書を金融機関の窓口に持って行って、相談してもらっても構わない」と回答しました。「中小企業活性化パッケージNEXT」とは、3月に発表した「中小企業活性化パッケージ」を発展させ、コロナ資金繰り支援の継続・拡充を図り、物価高騰対策として、価格転嫁の促進と併せてセーフティネット貸付の金利引き下げ措置の期限を延長するなど、中小業者の資金繰りを支援するものです。連名文書では①金融機関に対し、資金繰り相談に丁寧に対応し、事業者に最大限寄り添ったきめ細やかな支援の徹底②事業者からの返済期間・据え置き期間の延長申し出に対して、申し込みを断念させるような対応は取らない③10月以降も貸し渋り・貸し剥がしを行わない―など7項目を要請しています。
 中小企業を「経済を牽引する力」「社会の主役」と位置付けた中小企業憲章が閣議決定され12年がたちました。全国商工団体連合会は2001年、中小業者の経営と地域経済を活性化させることに軸足を置いた「地域経済振興と中小業者・国民本位の金融めざす提言(金融ビジョン)」を発表しました。物価高騰、コロナ危機の今こそ、「借りて商売続けよう」の運動を強めましょう。

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