北海道津別町、美幌町 インボイス中止意見書を採択 北見民商 役員らが自治体訪ね 管内で4自治体に|全国商工新聞

全国商工新聞

 北海道津別町議会と美幌町議会は、6月議会で「インボイス制度の中止を求める意見書」を採択しました。北見民主商工会(民商)が6月議会に向けて、北見、網走の両市議会と津別、美幌の両町議会に陳情書を提出し、そのうち2町議会が採択したものです。民商が担当するオホーツク管内で意見書を採択したのは、紋別市と訓子府町と合わせて4自治体になりました。

【美幌町】コロナから回復 大きな足かせに

美幌町議会の岡本美代子副議長(左)に要請書を手渡す民商美幌支部長の外舘淳さん

 6月8日に3自治体を訪問。美幌町では、美幌支部の外舘淳支部長が岡本美代子副議長に陳情書を手渡し、「コロナ禍と原材料高騰に苦しむ中小業者にとって、インボイス制度は死活問題。美幌町から中止の声を上げてほしい」と訴えました。岡本副議長は「私も商売人なので、消費税の負担の重さはよく分かる。仕入れが上がっても値上げができない。コロナ禍から回復しようという時にインボイスは大きな足かせになると思う」と話しました。
 「任意組合(複数の事業主が共通の目的のために出資して共同事業を営むことを契約した組合)は、構成員全員がインボイス発行事業者でなければ、インボイスを発行できない」と訴えると、「商店街で組織しているポイントカードの協同組合はどうなるのか」と不安を語っていました。大江道男町議(共産)が同席しました。

【津別町】減少する事業者 廃業加速が心配

 津別町では、鹿中順一議長が応対。「農協では組合員にインボイス登録をするように指導すると聞いている。しかし、地域の事業者が減っている中で、廃業が加速しないか心配している。直接、要請に来ていただいたので、しっかり検討したい」と前向きに受け止められました。巴光政町議(共産)が同席しました。
 網走市では、議会事務局へ陳情書を提出。同席した松浦敏司市議(共産)は「事業者はもちろんだが、シルバー人材センターの影響を把握して議会で知らせたい」と話しました。
 7日には、北見市に陳情書を提出しました。
 この間、「元請けから『インボイスの発行事業者に登録しなければ、消費税分を払えない』と言われた」などの声が寄せられていました。民商は、100万ボイス要請はがきの取り組みを強め、「インボイス制度は実施中止!」の声を国に届けようと話し合っています。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから