確定申告のワンポイントアドバイス(12)申告書を提出した後の対応|全国商工新聞

全国商工新聞

 国税庁は3日、今年の確定申告の申告期限について「簡易な方法で4月15日まで延長できる」と発表しました(2月14日号既報)。新型コロナウイルス感染症の影響により、3月15日までに申告が困難な人については、申告書の右上の余白(e―Taxの場合は「特記事項」の欄)に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載すれば、4月15日まで期限を延長することができます。
 さて、確定申告書の提出を済ますと「税務調査が行われる」と思う方もいるでしょう。昨年秋までは、緊急事態宣言の発令により、「実地の調査(税務調査)」とは異なる、文書による行政指導(任意の呼び出しや任意の資料請求)が数多く行われていました。来署依頼や文書提出依頼に法的根拠はなく、回答しなくても何ら罰則はありません。しかしながら、行政指導から税務調査に切り換えられる恐れもありますので、信頼できる仲間によく相談して対応しましょう。
 現在は、緊急事態宣言が解除されたことにより、税務調査が再開されています。税務署から「実地の調査を行いたい」との連絡があった場合には、全商連作成の「自主計算パンフレット」にある「税務調査についての10の心得」などを見ながら、落ち着いて対応しましょう。
 なお、ご家族に高齢者の方や基礎疾患のある方がいる場合などは、税務調査を延期あるいは中止することもできます。これは、国税通則法に定められている「必要があるとき」にしか税務調査をすることができないこと、また「納税者の協力のもと」で行うというのが、国税庁の基本方針より明らかになっているからです。不安であれば、最寄りの民主商工会(民商)などに相談して、力を合わせて対応すると良いでしょう。
 税務調査が行われる場合、納税者に十分な説明をせずに修正申告を強要するケースが目立ってきています。確定申告は、憲法が保障する自己決定権を税法面から具現化したもので、その確定申告書に難癖をつける場合の立証責任は税務署側にあります。所得税の修正申告をすると、住民税や事業税、国民健康保険料・税などにも追徴税額が生じることにもなりますので、税務職員から修正申告依頼があった場合は、その内容に十分納得できるときのみ応じることにしてください。


 >> 確定申告のワンポイントアドバイス(13)消費税申告の注意点

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから