通常国会始まる 命と暮らし、商売を守る政治を|全国商工新聞

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 第208通常国会が17日から始まりました。2022年度予算案の審議と併せ、内政・外交の全般で岸田政権の姿勢をただす機会となり、夏の参院選にも直結します。国民・中小業者の命と暮らし、商売を守る世論と運動が強く求められます。
 国会冒頭での焦点は、新型コロナ・オミクロン株の感染対策です。岸田首相は施政方針演説で「メリハリをつけた対策」というものの、後手後手は明白です。3回目のワクチン接種は遅れ、医療従事者は不足し、救急搬送の困難事例が既に過去最多です。しかも在日米軍基地が「大穴」で、水際対策も失敗しました。国の責任でPCR検査体制の確立と重症化予防や従事者の待遇改善、感染治療と発熱外来の支援、米軍の入国停止や外出禁止、検疫免除の特権廃止を直ちに行うべきです。
 「コロナ廃業」を許さない対策も待ったなしです。「不備ループ」問題での中企庁の審査・不作為は許されません。事業復活支援金や自治体の独自支援で、公務労働の役割を発揮し、円滑な給付を推進するべきです。同時に、コロナ禍という未曽有の災害における見舞い金として、給付金・協力金は遡及して非課税にし、減免するべきです。
 岸田首相は、「新しい資本主義」を提唱しましたが、アベ・スガ政治の継承が本質です。「賃上げを期待」としたものの、赤字経営を対象外とする税制優遇では実効性はありません。「全国加重平均1000円以上」への最低賃金見直しも、中小企業への直接支援とセットでなければ、経済再生の力になりません。
 外交・安全保障で、岸田首相が日米軍事同盟を「国際社会に貢献する同盟へと導く」とし、敵基地攻撃能力の保有検討を鮮明にしたことは重大です。「台湾有事」を口実に、軍事対軍事の応酬への危険性を高めるもので、「戦争放棄」をうたう日本国憲法とは絶対に両立しません。
 6兆円を超える空前の大軍拡が予算案に計上され、憲法審査会で改憲・国民投票を巡る審議も始まりました。夏の参院選後は最長で3年間、国政選挙もなく、9条改憲発議と国民投票が強行されかねない危険性が指摘されます。コロナ危機打開と消費税減税、「平和でこそ商売繁盛」の運動を強めましょう。

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