全国商工新聞

 2022年度予算編成に向け、各省庁の概算要求と税制への要望が出そろいました。しかし、菅義偉首相がコロナ対応での無為無策のまま政権を投げ出し、異常事態での予算編成となっています。
 求められるのは「税の使い道と在り方」を二段構えで示すことです。まず、「直面するコロナ危機から命と暮らしをどう守るのか」に応え、そして「コロナの先に持続可能な社会をどうつくるのか」を明らかにするべきです。
 緊急対策で、21年度に計上したコロナ対策の予備費を増やし、医療・検査・補償の強化に生かすことが待ったなしです。ワクチン接種だけではコロナを抑え込めません。「原則自宅療養」を撤回し、臨時の医療施設や入院病床の確保、在宅往診・訪問看護を、医療従事者への慰労金の再支給と結んで進めることです。大規模検査を実施し、国民の受療権の保障へ保健所体制を強めることが必要です。
 罰則付きで自粛要請を重ねながら、休業補償を改悪・縮減する予算も言語道断です。持続化給付金の再給付など直接支援を拡充し、生活困窮者の救いにも景気対策にもなる消費税の減税や凍結を政治決断することです。
 先を見通した予算編成としては、コロナ危機打開を確実に強めながら、政治や経済が抱える構造的な欠陥を克服し、憲法理念が生きる社会へと踏み出すことが大切です。
 長きに渡り、医療・介護・公衆衛生を切り捨て、雇用を非正規に置き換え、中小業者を不公正な取引に追い込んできた新自由主義を転換するべきです。異常な豪雨など気候変動の被害を減らすためにも、脱炭素・省エネ、再生可能エネルギーの普及へと大胆に切り替える必要があります。リニア・航空ネットワークなど不要不急の浪費型公共事業を減らし、中小商工業や農林水産業を振興する地域循環型施策を強めることです。
 今日、コロナ対策の財源をめぐり、多国籍大企業や富裕層に応分の負担を求める新たな動きが世界的に広がっています。一方、日本では、最悪の大衆課税である消費税の税収が所得税や法人税を追い抜く異常な状況です。株取引などでの特権的な減免税を是正し、法人税の累進構造を再建するべきです。

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