全国商工新聞

 経済産業省のキャリア官僚の2人が、新型コロナウイルスの影響を受けた中小業者の地代・家賃の負担を軽減するための家賃支援給付金を偽って申請し、約550万円を詐取した疑いで6月25日、警視庁に逮捕されました。その後、持続化給付金についても200万円を不正取得した疑いが発覚し、立件も検討されています。
 制度を所管する官庁の官僚が、給付金をだまし取ったことは悪質極まる背信行為であり、コロナ危機で塗炭の苦しみを味わっている中小業者をぐろう愚弄するものです。森友学園問題で財務省が組織的に公文書を改ざんするなど、官邸の官僚支配と職員のモラル低下が大問題になっている中で、事件の背景と再発防止策を官庁の体質も含め徹底的に究明することが必要です。
 家賃支援給付金の申請は2月で終了し、多くの民主商工会(民商)会員も獲得に挑戦しましたが、煩雑な申請手続きや書類の多さに悩まされました。申請に必要な賃貸借契約書が存在しない場合も多く、店舗などの貸し主に証明書を発行してもらえるかがネックになりました。貸し主に誠意を尽くしながら申請書類を準備し、審査機関からの書類不備を告げる幾多のメールにも粘り強く対応して給付までこぎ着けました。一方で、家賃支援給付金の不支給は約2・4万件、同じく持続化給付金は約7・1万件に上ります。こうした実態をあざ笑うかのように、官僚が申請書類を偽造して、いとも簡単に給付金を手にしたことは到底、許せません。
 今回の不正は、ネット申請に限定した給付金制度の不備を悪用したものです。全商連は6月21日、持続化と家賃支援の両給付金の「不支給」決定に対し、再調査と速やかな給付を求めて審査請求を行いました。また、7月14日には、一時支援金の申請で一度「不備」の判定をされると、再申請しても「不備」を告げる難読なメールが繰り返し届くなど、不誠実な審査の改善を求めました。
 コロナ禍の収束が見通せない中で、業者への営業支援は重要な課題です。申請方法の見直しや減収に見合うように改善した持続化給付金の第2弾の実施など、本当に困っている人に支援の手が届くように要求していきましょう。

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