全国商工新聞

 岩手・花巻税務署が、税務調査を当初の3年分から4年分に勝手に増やそうとし、反面調査をにおわせ、子どもの通帳まで提出させようとしていた問題で、調査対象になった北上民主商工会(民商)のTさん=塗装=は5月21日、民商の仲間とともに抗議。統括官は「不愉快な思いをさせた」と謝罪し、署員が「民商の会費は経費にならない」と誤った発言をしたことに対しても6月15日、誤りを認めて謝罪しました。

「仲間の立ち会いに感謝」

 花巻税務署からTさんに「2017年から3年分の調査をしたい」と連絡が入ったのは、昨年10月。調査に向けて準備をしていましたが、「調査を次年度に持ち越して、4月ごろにしたい」との連絡が入りました。その際に「次年度に持ち越した場合の調査年度は、2018年度から20年度」と言われ、Tさんは「3年分ですね」と確認しました。

子どもの通帳まで提出を求められて

 ところが5月14日、突然、電話が入り「4年分の調査をしたいので、関係書類を準備してほしい」と言われました。署員は、銀行や元請け業者への反面調査をちらつかせ、3人の子どもの預金通帳の提出を求めました。まるで犯罪捜査をするかのような扱いに、不審を抱いたTさんは5月21日、妻と一緒に民商に相談。その日のうちに、伊藤裕二事務局長と一緒に花巻税務署に出向き、調査の中止を求めました。
 Tさんは、総務課長と次長に、これまでの経過と、いかに適正な手続きを欠いた、不当調査をしようとしたかを詳しく話しました。総務課長が「その話が事実で、調査官の対応が不誠実で、不愉快な思いをさせたのであれば、謝罪します」と話し、同日、調査官の上司の統括官は別室で謝罪。「調査は3年分で、銀行や取引先への反面調査はしません」と約束しました。Tさん夫婦は納得し、「ホッとしました。民商が立ち会ってくれたおかげです」と胸をなでおろしました。
 その後、Tさんは、自分のペースで調査を継続させました。

民商会費を経費と認めない件も謝罪

 ところが、その中で、署員が「民商の会費は経費に認めない」と言い出しました。花巻税務署の管轄となる北上、花巻の両民商は6月15日、同税務署に抗議。「民商の会費は、経費として認められるのか」と確認したところ、総務課長は「事業として関わりある会費は、民間団体であっても認められる」「名前で判断することはない」と断言。「では、なぜ署員は『民間団体なので、経費として認められない』などと言ったのか」と追及しました。
 花巻民商の久保田彰孝会長=農業=は「何が経費と認められるのか、理解していない調査官は、調査から外してほしい」と迫り、総務課長は「誤った発言で迷惑をかけたのであれば、直接、謝罪します」と約束。統括官はTさんの目の前で、間違った発言をした署員を厳しく注意し「民商の会費のことで誤解を招く発言をして、申し訳ありませんでした」と謝罪しました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから