国保コロナ特例減免 国が財政支援引き上げ 全商連など要請実る|全国商工新聞

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 厚生労働省は2日、国民健康保険(国保)と介護保険、後期高齢者医療制度のコロナ特例減免について都道府県に事務連絡を発出し、国からの財政支援を引き上げることを通知しました。特例減免は、コロナ禍の影響で2021年の収入が前年比30%以上の減少が見込まれる場合に活用できるものです。
 財政支援は①国保料・税減免総額が市町村調整対象需要額の3%以上は、減免総額の80%から全額に②同1.5%以上3%未満は減免総額の40%から60%に③同1.5%未満の減免総額の20%から40%に引き上げました(表)。

 対象は、21年度分の国保料・税、介護保険料、後期高齢者医療保険料で、4月1日から22年3月31日までの間に納付期限が来るもの。20年度末に加入資格を取得したことによって国保料・税の納付が発生し、4月以降に納付期限が来る場合も減免対象になります。市町村が減免を行った場合、市町村調整対象需要額に占める割合に応じた額を特別調整交付金で財政支援をします。
 全国商工団体連合会(全商連)は5月28日、厚労省へのヒアリングを行い、コロナ特例減免への国による財政支援が、今年度は最高8割になったことで、市町村から「国からの支援が2割に減るので、非常に厳しい」との声が続出していることを指摘し、財政負担拡充を迫りました。省側は「状況を見て判断する」と回答していました。神奈川県や県内の自治体、広域連合の3者も4月12日、財政支援の拡充を求める要望書を国に提出しており、今回の財政支援の引き上げは、全商連や自治体からの要望が反映されたものです。

市町村調整対象需要額

 医療給付費(医療費のうち市町村が給付する金額)から公費(国庫負担や都道府県からの繰り入れ金など)や、前期高齢者(65歳以上75歳未満)交付金の収入見込み額を除いたもの。おおむね、市町村が徴収する保険料に相当する。

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