全国商工新聞

 和歌山市は5月28日、国民健康保険(国保)に加入する事業主が新型コロナウイルス感染症に感染した場合、傷病手当を支給することを明らかにしました。和歌山民主商工会(民商)と和歌山市社会保障推進協議会(市社保協)が同25日、尾花正啓市長宛てに提出した要請書に対する回答書が郵送され、判明したもの。

市長室の秘書課長に要請書を手渡す和歌山民商の井上彪会長(左側)

 回答書には「感染した場合等に休みやすい環境を整備することが感染拡大防止の観点から重要である。事業所得がある被保険者に対しても傷病手当を支給できるように、国保条例改正案を6月定例市議会に提出する」という趣旨の内容が書かれていました。
 井上彪会長=ラーメン店=は「われわれの訴えが実った。事業主がPCR検査で陽性になって休業した場合、次の日から収入が途絶えてしまう。傷病手当が支給されれば、PCR検査を受けようという気持ちにもなり、感染しても仕事を休むことができる」と話しています。
 取り組みのきっかけは、建設業の会員から4月、新型コロナウイルス感染症に感染し、入院中の病室から電話を受けたことです。休業と従業員の補償の問題で「何か救済策がないか?」という相談でした。
 市は国保の傷病手当を事業主に支給していなかったため、それ以外の施策について南畑幸代市議(共産)に問い合わせをしましたが、「利用できるのは、社会福祉協議会の貸付制度ぐらい」との返事でした。
 和歌山民商も加入する市社保協の代表者会議が4月20日に開かれ、事業主が新型コロナに感染した場合、休業補償が何もないことが問題になりました。
 民商の寺岡則行事務局長は「確定申告期の班会で、若い建設業者同士が『熱があっても、あるとは言えない。言えば現場入場させてもらえず、仕事ができなくなる』『仕事ができなければ収入が途絶え、家族が暮らしていけないから、PCR検査を積極的に受けられない』と話していた」と報告。事業主への傷病手当の支給を求めることにしました。
 要請には、井上会長や市社保協の藤澤衛会長らが参加。井上会長が、市長室の秘書課長に要請書を手渡し、寺岡事務局長が要請文を読み上げました。会員から受けた相談内容と個人事業主の置かれた状況を話し、「生活保障だけではなく、PCR検査を増やして無症状感染者を見つけ出すためにも、事業主への傷病手当が絶対に必要」と訴えました。

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