全国商工新聞

 東京電力福島第1原発事故から10年がたちました。廃炉までの見通しは立たず、放射性物質によって環境や食品、人体へも影響が広がるなど、多くの被害が発生しています。大量の放射性物質が放出されたことにより、住民がふるさとに住めなくなり、地域社会も壊されました。帰還困難区域がまだ広く残っており、住宅保障など生活支援の打ち切りは許されません。
 菅義偉政権は昨秋に、高濃度のトリチウムなどを含む汚染水を希釈して、海洋に放出する方針決定を狙いました。しかし、漁協、農協、森林組合が反対し、商工団体や自治体も風評被害への懸念を表明したことで、決定は先送りになりました。引き続き、陸上で管理・処分する方法を検討するよう求めていかなければなりません。
 原発事故に関して原状回復と完全賠償を求める「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟において仙台高裁は2020年9月、国および東京電力の責任を認め、被害を受けた住民に約10億1千万円の損害賠償を命じる画期的判決を下しました。東電に損害賠償を求める運動も前進し、福島県連では5480件、160億円超の賠償を勝ち取りました。
 菅政権は20年12月、「グリーン成長戦略」を発表。原発を「可能な限り依存度は低減しつつも、引き続き最大限活用」と明記し、温暖化対策を口実に原発の永続化をたくらんでいます。福島県民からは、「農産物や川魚も採れないのに原発再稼働なんて許せない」と怒りの声が上がっています。
 事故後、首相官邸前などで毎週金曜日に抗議行動が続けられるなど、原発廃止を求める声が日増しに大きくなりました。
 そうした市民運動に後押しされ、日本共産党など野党は共同で、「原発ゼロ基本法案」を国会に提出。すべての原発を廃止するとともに、再生エネルギーで脱炭素化をめざすものです。地域資源である再エネを活用することで、産業や雇用が生まれ、地域経済も活性化されます。
 声を上げれば悪政を正せる情勢です。総選挙も視野に入れて、市民と野党の共同で原発ゼロを実現させましょう。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから