全国商工新聞

 全国商工団体連合会(全商連)は2月20日、「東日本大震災10年 生業復興への課題と展望・活動交流会」を全商連会館で開催。全国23カ所をオンラインでつなぎ、岩手、宮城、福島の被災3県から9人が、震災当時の状況や運動で勝ち取った成果、10年目を迎えた様子などを報告。京都橘大学の岡田知弘教授が「東日本大震災から10年-何を教訓にし、どのように新しい社会を展望するか」と題し講演しました。

「人間中心の復興を」と呼び掛けた活動交流会

 全商連の磯谷吉夫副会長が開会あいさつ。26年前の阪神淡路大震災で自身も被災した経験を振り返り、「被災者が中心の復興を」と呼び掛けました。
 「被災直後、全国の民商の仲間が何度も物資を届けてくれ、心の支えに。仕事を継続できたのは民商の仲間がいたから」と話したのは、宮城・気仙沼本吉民商の中舘忠一会長=建設。当初、大企業のサプライチェーンに限られていたグループ補助金の対象を建設・土木業まで広げ、自らも3度目の申請でグループ補助金を獲得。「要請を繰り返し、宮城県連や日本共産党の県議団、大門実紀史参院議員が動いてくれた。全国の励ましも、ありがたかった」と感謝しました。
 福島第一原発から8キロメートル地点に自宅がある福島・相双民商の紺野重秋会長=自動車整備=は「地震翌日の早朝、“早く避難しろ”とだけ放送があり、原発について一切聞かされず、着の身着のまま避難した」。福島県連の二宮三樹男会長=看板=は、東京電力に対し損害賠償を求めてきた運動を報告。「今でも山菜や川の魚が採れないのに、原発再稼働を進める政府の態度が許せない」と怒りを込めました。福島県連の松川信常任理事は「東電と交渉を重ねて5480件、160億円超の賠償を勝ち取った」と報告。国がタンクにたまった汚染水の海洋放出を強行しようとする姿勢に危機感を示しました。
 全商連の岡崎民人事務局長が、まとめ報告。「この10年、各地の民商・県連が被災者支援に立ち上がり、被災3県では憲法を力に『復旧・復興は被災者・被災地が主役』と奮闘した」と概括。「原発なくせ」の一点共闘が画期的に広がり、グループ補助金などで被災業者への直接支援に道を切り開き、生業裁判で東電・国の責任を断罪する判決を勝ち取ってきた-などの到達点を確認。「しかし、被災者と被災地の復興は道半ば」と、さらなる運動の発展を呼び掛けました。


 >> 憲法生かす「人間性復興」を 京都橘大学・岡田知弘さん

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから