コロナ対応 飲食店の取引先などに『一時金』 「40万円では足りない」など 全商連は支援の改善・拡充求める|全国商工新聞

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 新型コロナウイルス対策として2回目の緊急事態宣言を発令した政府は、営業時間の短縮要請に応じた飲食店に対する協力金を1日6万円(上限)と公表。その後、「飲食店と取引のある業者に対する支援も必要」との声を受け、経済産業省・中小企業庁は1月13日、「売り上げが減少した」中小事業者に対する「一時金」を発表しました。全国商工団体連合会(全商連)は同15日、同庁から新たな中小業者支援について説明を受けるとともに、「法人40万円以内、個人事業主20万円以内の一時金の支給額では減収補填には足りない。事業規模や業態に応じたものに」など、支援の改善・拡充も要請しました(別項)。

 新たな支援として打ち出されたのは、緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出自粛、移動の自粛などで、1月または2月の売り上げが対前年同月比で50%以上減少した事業者に対する一時金。対象は、緊急事態宣言発令地域の11都府県(1月15日時点)および、緊急事態宣言発令地域に準じた取り組みを行うことが特措法担当大臣に確認された地域が順次追加されます。
 要件は、①緊急事態宣言発令地域等の飲食店と直接・間接の取引があること②緊急事態宣言発令地域等における不要不急の外出・移動の自粛による直接的影響を受けたこと-により今年1月または2月の売上高が対前年比50%以上減少していることです。
 ①には、農業者・漁業者、飲食料品・割り箸・おしぼりなど飲食業に提供される財・サービスの提供者が想定されています。例えば、北海道から東京に食材を納入する業者も対象になり、ゴミ収集者も含まれます。
 ②には、旅館、土産物店、観光施設、タクシー事業者等が想定されています。
 算出方法は、前年1月および2月の事業収入-(前年同月比▲50%以上の月の事業収入×2)。上限は法人が40万円、個人事業主が20万円です。
 申請方法は、前年の確定申告、対象月の売上台帳の写しとともに、宣誓書において、緊急事態宣言等によりどのような影響を受けたかを選択肢から選んで自己申告するとしています。
 オンライン申請限定か、書類申請も認めるか等、現在検討中としています。
 この他、日本政策金融公庫などによる実質無利子・無担保融資の運用を柔軟化し、直近1カ月(直近2週間以上でも可)の売り上げが減少した事業者に対し、申請時に「試算表」の省略も可とし、迅速な資金繰り支援を行うこととしています。

全商連の要望

・「一時金」の対象地域を緊急事態宣言発令等の地域に限定しないこと。
・「一時金」を思い切って増額するとともに、対前年比50%以上減少に限定せず、減収に見合った段階的支援とすること。例えば、40%減収なら上限額の40%支援など。
・要件②の「直接的影響」は実態を踏まえ、柔軟な認定とすること。
・申請はオンライン限定とせず、例えば、商工会・商工会議所等での対面や書類による申請も認めること。

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