全国商工新聞

全国商工団体連合会(全商連)は1月25日、全ての事業者に向けて、次のアピールを発表しました。

1、価格表示は事業者の裁量にゆだねられるべきです

 4月から始まる消費税の税込み価格の表示(総額表示)の押し付けに対して、出版や流通など多くの業界団体や事業者が反対の声を上げています。3月31日に消費税転嫁対策特別措置法が失効することによって、税込み価格の表示を「しなければならない」とする消費税法第63条が有効となるためです。
 しかし、消費税法には第63条違反に対する罰則規定はありません。税込み価格の表示は法律上の義務とは言えず、事業者に協力を求める「訓示規定」です。
 そもそも、価格の表示をどうするかは、事業者の裁量にゆだねられるべきであり、「価格表示は自由であるはず」という主張は、営業の自由を保障する憲法第22条に基づいています。
 再販制度によって定価販売が認められている書籍など、総額表示になじまないものもあります。多くの事業者が消費者に寄り添い、価格と消費税額を分かりやすく表示する努力を続けています。消費者や顧客との取引が円滑に行われることこそ、事業者の望みです。そのために必要な手立てをいかに講じるかは、事業者自身の経営努力に属する問題です。
 消費税導入から31年が経過しましたが、総額表示が「義務」とされた期間は2004年からの10年間に過ぎません。「外税表示」は行政分野から多様な商品やサービスの取引まで広く定着しており、あらためて総額表示を義務づける必要はありません。

2、価格表示を指図する政府の狙い

 価格表示について消費税法第63条は「あらかじめ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の価格を表示するときは、当該資産又は役務に係る消費税額及び地方消費税額の合計額に相当する額を含めた価格を表示しなければならない」とし、税込み価格(総額表示)にするよう求めています。
 一方、消費税転嫁対策特別措置法第10条は「現に表示する価格が税込価格(消費税を含めた価格をいう。以下この章において同じ。)であると誤認されないための措置を講じているときに限り、同法(注:消費税法※)第六十三条の規定にかかわらず、税込価格を表示することを要しない」と規定しています。
 価格表示に対する裁量を事業者に認めるとともに、転嫁対策の強化を打ち出した消費税転嫁対策特別措置法を制定した政府の狙いは、第1条が示す通り、消費税率引き上げへの反発を抑えるためだったのです。
 総額表示の強要は、物価に消費税を紛れ込ませて痛税感と納税者意識を薄れさせ、税率を引き上げやすくするためです。
 全商連は消費税の総額表示の義務化に一貫して反対してきました。

3、「税制による商売つぶし」を許さないために

 政府は2019年10月、8%に据え置いた税率を「軽減」税率と強弁し消費税の基本税率を10%に引き上げました。そのために、記帳や税額計算が複雑化し、事業者は時間的、心理的、実務的など多岐にわたる納税協力コストを押し付けられています。
 総額表示の欠点は税率が変更されるたびに表示替えのコストがかかることです。その費用を消費者に転嫁できなければ、事業者が負担することになります。これまでも、消費税率引き上げのたびに、値付けや価格表示の変更などの実務だけでなく、客離れの心配までさせられてきました。増税による消費の落ち込みによって、従業員のリストラや経費削減を余儀なくされ、廃業も広がりました。
 無反省な政府は、事業者が発行する伝票の内容にまで介入し、小規模事業者の取引排除を招くインボイス制度の実施を強行しようとしています。
 こうした税制の変更による中小業者つぶしを許すわけにはいきません。
 価格表示で重要なことは、消費者や取引先に安心してもらえるかどうかです。「安心の価格表示」に力を合わせ、消費者への理解を求める取り組みを強め、「価格表示は自由」の世論を大きく広げようではありませんか。
 そして、ご一緒に「税制で商売をつぶすな」の声を上げていただくことを心から呼びかけます。
 (※注は全商連が挿入)


 政府は予定通り4月1日より、消費税「総額表示」義務化を進めようとしています。
 当会は1月25日、総額表示の義務化に一貫して反対してきた立場から、別紙同封した「すべての事業者のみなさんへアピール」を発表しました。アピールの趣旨に賛同していただき、総額表示の押し付けではなく、事業者の裁量による対応を認めるべきとの世論を広げたいと考えています。各団体のみなさまぜひアピールにご賛同下さい。賛同は以下からダウンロードし、ファクスでご回答願います。

>>ダウンロードはこちらから(word)

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