全国商工新聞

 10月26日から始まった臨時国会で、菅義偉首相が初の所信表明演説を行いました。
 日本学術会議推薦会員の前代未聞の任命拒否や、来年1月に発効が決まり、史上初めて核兵器を非人道的で違法とする核兵器禁止条約の批准には全く触れないなど、国民の疑問や願いに応えませんでした。
 一方、「デジタル社会の実現」として、国民監視を強めるマイナンバー制度の利活用を進め、「グリーン社会の実現」として原発を再稼働し、沖縄辺野古の新基地建設や敵基地攻撃を想定した軍備拡大を「外交・安全保障の柱」と言い換え、推進する意向を表明しました。
 さらに憲法改正に向けて、「与野党の枠を超えて」議論していくことを求めました。
 新型コロナ禍により、「このままではとても年を越せない」と悲鳴を上げる中小業者や職を失った労働者の実態に目もくれないばかりか、国民の多くが待ち望む、PCR検査と医療の抜本拡充には背を向け続けています。
 とりわけ、「今回の感染症では、行政サービスや民間におけるデジタル化の遅れ」が問題になったとして、「デジタル社会化」の実現をめざし、「今後2年半で、全国民にマイナンバーカードを持たせる」「今後5年で自治体システムの統一・標準化を行う」と強調しました。そのためにデジタル庁を新設するとしましたが、国民総監視と結び、コロナ対策を大企業の新たなもうけ口につなげるものとして看過できません。
 めざす社会像として、「自助・共助・公助。自分でできることはまず自分でやって」と述べ、新型コロナ禍に苦しむ国民に「自己責任」をあらためて迫り、政治責任を放棄する姿勢も示しました。
 菅首相は、「国民のために働く内閣」として改革を実現し、新しい時代をつくるとしていますが、その内実は、破綻した安倍政治の焼き直しにとどまらず、より強権的な政権となる危険性がこの短期間であらわになりました。
 立憲主議・民主主義の回復と、国民のいのちと暮らし最優先の社会を実現していくために、中小業者の切実な声を届け、国会論戦と結んで、政治の転換を求める世論を広げていきましょう。

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