全国商工新聞

 7月17日に閣議決定された、骨太方針2020は、ポストコロナ時代の新しい未来として、「個人が輝き、誰もがどこでも豊かさを実感できる社会」「誰ひとり取り残されることなく生きがいを感じることのできる包摂的な社会」「国際社会から信用と尊敬を集め、不可欠とされる国」にしていくとうたっています。
 しかし、方針の具体化になると、この間「格差と貧困」を広げてきた社会福祉・公共サービスの縮小、公営事業の民営化など新自由主義路線を一層加速させる内容のものばかりです。
 しかも、「新たな日常構築の原動力となるデジタル化」を一番に掲げ、コロナ禍を利用して、人と人の接触を極端に避け、人間としての尊厳さえもデジタル化した先端技術に委ねていく極端な方向を未来社会として示しています。
 また、「10年掛かる変革を一気に進める」と、行政手続きの抜本的なオンライン化に加え、サービスを受ける条件として、マイナンバー制度を、医療・社会保障分野に加え、自動車免許証にも使用するなど、あらゆる分野で運用していくことが掲げられています。
 そもそもこの間の政府による強引なデジタル化推進は何をもたらしたでしょうか。マイナンバーによる定額給付金や持続化給付金の申請で明らかなように、「デジタル機能を操作できない業者や市民を排除する」仕組みのものです。
 骨太方針では、「デジタル化は、生産性を引き上げ、今後の経済成長を主導する」という従来の考え方に固執し、マイナンバーを政府全体・地方自治体の行政サービス、官民連携、民間同士の間でも活用するよう法整備を図っていくことも随所に記載されています。
 「個人が輝き」「豊かさが実感できる社会」を称しながら、自由と人権の保障ではなく、市民の行動監視に力を入れていく「骨太方針2020」では、未来どころか、コロナ危機の克服もできるはずはありません。
 現状の景気後退の局面に対処していくためにも、大手IT企業をはじめとする大企業のみが利益を得ていく経済施策でなく、国民の暮らしや中小業者の経営支援に直接つながるものに切り替えさせていきましょう。

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