対象外だと思っていたが 給付金獲得できた|全国商工新聞

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 「持続化給付金は自分に関係ない」「給付の対象にならないのでは」と思っていた民主商工会(民商)の仲間が、持続化給付金制度の内容をあらためて学んだところ対象になると分かり、申請した結果、振り込まれたとの事例が各地で相次いでいます。給付金を受け取った会員の喜びの声を紹介します。

前年同月比と思い込み

義弟と事務局員に励まされ、持続化給付金を申請した小林さん

 「毎年4月、5月は仕事が少ないので、持続化給付金の対象にならない」と思っていた滋賀・彦根民商の新井田卓也さん=建築板金。給付に該当することが分かり、7月6日、申請サポート会場に行って申請し、16日に100万円が振り込まれました。
 新井田さんは毎年、確定申告書に収入を記載せずに税務署に提出していました。6月25日に商工新聞を届けに来た事務局員と話す中で「白色申告は、売り上げが50%減収したかどうかは、前年同月との比較ではなく、年間売上額を12分の1にして比較する」「確定申告書に収入を記載していなくても、収支内訳書を添付すればOK」「すでに4分の1の会員が申請している」ことを知らされ、「だったら自分も申請できるのでは」と思い直しました。
 義兄の小林一正さん=建築板金=にも「一緒に説明を聞きに行こう」と声を掛けました。小林さんは「数字に弱く、確定申告時も、班の仲間に苦労を掛けていた。収入が減ったら、それはそれで、なるようにしかならない」と考えていましたが、新井田さんに背中を押され、民商の事務所に一緒に行って持続化給付金制度を学びました。
 新井田さんも小林さんも昨年と売り上げを比較したところ、4月と5月の売り上げが50%以上減少していることが分かり、書類を準備。2人は7月5日、民商の仲間と一緒に長浜市の申請サポート会場に。
 新井田さんは不足資料があったため、翌日に再度、出直して申請を終えました。小林さんはサポート会場では申請の手続きをせず、9日に民商のパソコンから収支内訳書を添付して申請し、2人とも16日に100万円が振り込まれました。「民商の仲間に感謝」と二人は口をそろえています。

売り上げ年間50%減と勘違い

自分が申請できるとは思っていなかったと話す宮古民商の大洞さん

 「岩手県は新型コロナの感染者数がゼロだし、直接、影響は受けていないので、持続化給付金の申請は関係ない」と思っていた岩手・宮古民商の大洞敦子さん=スナック=は7月1日、持続化給付金を申請し、13日に100万円が振り込まれました。「まさか自分が申請できるとは思っていなかった。自分は関係ないと思っている人は他にもいると思うので、周りの人に声を掛けてみる」と笑顔で話しています。
 宮古市内で長年、スナックを経営してきた大洞さん。4月7日に緊急事態宣言が発令されて以降、街に人が出てこなくなり、店を開けていても“開店休業”状態が続き、売り上げは大幅に減少しました。しかし、大洞さんは県内に新型コロナの感染者がいないことに加えて、持続化給付金の給付対象の「売り上げが50%以上減少」の規定は、年間で比較するものだと勘違いをしていました。
 事務局員から「一度、売上台帳などの資料を確認してみましょう」と声を掛けられ、売り上げを確認したところ、昨年の年間売上額の12分の1の額に対して5月の売り上げが半減し、給付対象であることが分かりました。2019年度の確定申告書の控えや通帳などをコピーし、民商のパソコンから申請し、15分程度で終わりました。不備メールも届かず、給付金が振り込まれました。
 14日から始まった家賃支援給付金も初日に申請。「まだ、お客さんは戻ってこない。営業の厳しさは続くけれど、民商の仲間と励まし合って困難を乗り越えたい」と大洞さんは話しています。

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