税務調査で是認勝ち取る 対策会議で権利学習|全国商工新聞

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堂々と立ち会い求め

 税務調査を受けていた北海道・帯広民主商工会(民商)の田中宏さん(仮名・50)=農業=は先ごろ、調査による修正はなしとする「更正決定等をすべきと認められない旨の通知書」(是認通知書)を受け取りました。「資料を出しているのに、立会人を理由に調査をしないのは不当だ。民商で自主記帳、自主計算を学んでいたので、申告内容に間違いはないと思っていた。納税者の権利を学習し、民商の仲間が支えてくれたから頑張ることができた」と胸を張ります。

 帯広税務署から田中さんに電話がかかってきたのは2019年8月19日。「2016年から3年間の税務調査をしたい」とのことでした。すぐに民商に相談し、役員や事務局員と一緒に対策を考えました。
 「8月は農家にとって収穫期の真っただ中。とても調査を受けている暇がないが、断ってもいいのか」との田中さんの問い掛けに対し、役員や事務局員は「税務署に合わせなくていいよ」とアドバイスし、11月以降に調査を受けることにしました。
 所属する愛国班では学習会を開き、調査の心得や納税者の権利について学びました。
 田中さんは日頃から自主記帳・自主計算を学び、パソコンで青色申告書を作成していたため、必要な書類はすぐに準備できました。1回目の調査(12月2日)では班や税金対策部の役員6人が立ち会いました。
 署員は「第三者がいる前では調査ができない」「守秘義務違反になる」と言って調査を始めず、立会人が調査を進めるように促しても、「守秘義務違反」を主張し、調査を行おうとしませんでした。
 2回目(12月19日)の調査でも、資料を目の前に出しているにもかかわらず、署員は調査を行おうとせず、田中さんは「立会人に見られても構わない。考えは変わらない」と抗議しました。
 その後、職員から「気持ちは変わりませんか?」「税務署に来て調査しませんか?」と何度か電話がありましたが、田中さんは「気持ちは変わらない」と毅然とした態度を貫き、3回目(2月6日)の調査でも「(調査しないなら)帰ってくれ」と署員を追い返しました。
 5月中旬になって突然、調査官から「調査の結果、問題ない。(是認の)書面を送ります」と電話が入り、5月29日付で是認通知書が届きました。

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