全国商工新聞

納得の税額で調査終了 「権利主張できた」

 自白調書まがいの「質問応答記録書」を作成された上、7年間分さかのぼって所得税、消費税の税務調査を迫られた大分・宇佐民主商工会(民商)の吉田雄哉さん(仮名)=電気工事=は6月4日、民商の仲間とともに不当な攻撃をはね返し、納得できる結果で調査を終えることができました。「一人ではとても対応できなかった。民商のサポートが心強かった。相談して本当に良かった」と喜んでいます。

国税局に税務署の指導要請

 申告書作成を依頼していた税理士の立ち会いの下、税務署の税務調査が始まったのは2019年8月。2回目(9月3日)の調査で、帳簿の売り上げ漏れなどを指摘され、「税金逃れのために意図的にやっているのではないか」などと調査官から強い口調で問い詰められた上、「自ら税金逃れのために不正をしたことを認め白状した」という内容の「質問応答記録書」を作成され、署名押印させられました。
 調査官は2012年~18年までの7年分の調査をほのめかし、帳簿などを持ち帰り、税理士からは「自分の手には負えない」と、以後の立ち会いを断られました。
 税理士から「追徴は500万円を超えるだろう」とも言われ、頭が真っ白になった吉田さんは、会員から民商を紹介され、9月10日に相談。立花政明事務局長と税務署を訪ね、「質問応答記録書」の開示請求を行い、留め置かれた帳簿などの書類を取り戻しました。翌日、宇佐民商三役は「納税者への不当な攻撃を許してはならない」と意思統一し、税務署に抗議。任意調査の範囲を逸脱した異常な税務調査の中止を求めました。
 10月2日に開示された「質問応答記録書」は事実と異なることが判明。4日には、「質問応答記録書」の「利用停止請求」と「訂正請求」を税務署に提出しました。
 大分、熊本、鹿児島、宮崎の4県商工団体連合会(県連)は11月13日、合同で熊本国税局と交渉。「納税者を犯罪者扱いするような質問応答記録書の作成を管轄税務署にやめさせること」などを求めた要請書を提出し、税務署への指導を要求しました。
 その後、税務署から「もう一度話を聞かせてほしい」と連絡を受け、2020年1月に再開した調査で、吉田さんは「単純な集計ミスはあっても、故意に売り上げ隠しなどは行っていない」と堂々と主張。調査官は「7年分の調査と決まったわけではない。伺った話を署に持ち帰って検討する」と話しました。その後の調査では、民商のアドバイスも受けながら対応。6月4日、吉田さんも納得のいく内容で所得税3年分(2016年~18年)と消費税2年分(2017年~18年)合わせて約130万円の修正申告で調査を終えました。
 吉田さんは、「納税者が税務署ににらまれたら、もう終わりだと思っていた。民商に相談して、自分の権利主張もできて良かった」と語ります。
 竹内亮一会長=電気工事=は「吉田さん個人の問題ではなく、納税者全体に対する不当な攻撃と捉えてたたかったことが重要だった。税務署の横暴とたたかう全国の仲間を元気づけられれば」と話しています。

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