全国商工新聞

消費税引き下げなど提言

各党の代表に「提言書」を提出したことを発表する考える会の記者会見=12月9日

 消費税減税を求める声が党派を超えて国会内で広がっています。「共同会派」を組む立憲民主党、国民民主党、社会保障を立て直す国民会議、社会民主党の有志で結成された「日本の未来を立て直す公平な税制を考える会」(考える会)は、消費税率引き下げなどを求める「提言書」を各党の代表に提出しました(2019年12月9日)。法人税や所得税を見直して税財源を確保すれば、消費税減税が可能であることなどを明らかにしています。来る総選挙で「提言書」の内容を野党共闘の共通政策に位置付けることをめざしています。

法人・個人の累進を強化

 「提言書」は「基本方針」で応能負担原則に基づく、税制の簡素な仕組みとともに、国民の公平公正な税負担を取り戻すため、直間比率を見直すことなどを明記しました。
 ▽担税力がある人や法人企業に応分の負担を求める▽法人税に累進課税を導入▽所得税の累進を強化▽消費税を引き下げ▽軽減税率とインボイス制度廃止―を掲げています。
 「考える会」は昨年11月14日、国会議員22人が呼び掛け人になって結成されました。エコノミストの菊池英博さんや菅隆徳税理士、湖東京至税理士、浦野広明税理士を講師に勉強会を重ね、「提言書」をまとめて賛同者を募ったところ54人が名を連ねました(別項)。

消費税のゆがみ研究

中心になった立憲民主党の福田昭夫衆院議員

 中心になったのは、立憲民主党の福田昭夫衆院議員です。05年9月の総選挙で国会議員になってから、消費税に一貫して反対し、消費税のゆがみを研究してきました。「消費税が非正規雇用者を生み出している。正規と非正規雇用は職種によっても違いはあるが、月給でおよそ10万円の差がある。ましてや年収200万円以下が1千万人を超えている。可処分所得がないので生活はギリギリ。これでは個人消費は伸びず、経済は悪循環に陥ってしまう。消費税を減税しない限り、経済の好循環は生まれない」と強調します。
 「提言書」では、1990(平成2)年と2019(令和元)年の国税収入を比較。法人税や所得税が11兆6080億円減収する一方で、消費税は13兆5920億円増収していることを示し、法人税や所得税などの減収の穴埋めに、消費税の増収分が充てられたことを浮き彫りにしました(表1)。

代替財源の道筋示す

 「考える会」で議論になったのは、消費税を減税した場合、財源をどうやって確保するか―です。「提言書」はその道筋を示しました。
 法人税と所得税、相続税に総合累進課税などを導入した場合、17(平成29)年度ベースで、3税を合わせた最大限の増収見込み額は41兆3019億円に上ることを明らかにしました(表2、菅税理士と浦野税理士が試算)。

 国と地方を合わせた消費税収は27兆5400億円(20年度予算)。消費税を廃止しても財源は十分に確保できます。
 「考える会」では、「何%に下げるかは、各党の代表や賛同者の意見を聞きながら、消費税引き上げ後の景気の落ち込み、新型コロナウイルスの影響を考え、できるだけ早くまとめたい」としています。
 さらに「提言書」では消費税の輸出戻し税の問題を取り上げ、輸出大企業(製造業13社)に対する還付金額が1兆1643億円(18年度分)に上ることを示しています(湖東税理士が推算)。

さらなる賛同めざす

 「衆参合わせて『共同会派』の国会議員180人のうちの100人が『提言書』に賛同すれば、事態は変わる。『税は国家なり』。まともな税制をつくれなかったら政権は取れない。例え政権を取ったとしても長続きしない。これまで優遇されてきた富裕層や大企業に応分の負担を求め、所得を再分配する。そういう道筋を総選挙で有権者に示して、政権交代を実現させたい」と福田議員は意気込みを語っています。

54人の賛同者

衆議院

 青山大人、青柳陽一郎、阿部知子、荒井聰、池田真紀、伊藤俊輔、生方幸夫、江田憲司、小熊慎司、落合貴之、柿沢未途、亀井亜紀子、川内博史、源馬謙太郎、佐藤公治、篠原豪、篠原孝、白石洋一、末松義規、高井崇志、高木錬太郎、田嶋要、中谷一馬、長谷川嘉一、初鹿明博、日吉雄太、福田昭夫、堀越啓仁、牧義夫、松平浩一、松原仁、馬淵澄夫、緑川貴士、宮川伸、村上史好、森山浩行、矢上雅義、山川百合子、山岡達丸、山崎誠、屋良朝博、吉田統彦、早稲田夕季

参議院

 石垣のりこ、石橋通宏、川田龍平、杉尾秀哉、須藤元気、野田国義、芳賀道也、鉢呂吉雄、牧山ひろえ、真山勇一、水岡俊一

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