全国商工新聞

税理士 佐伯和雅さん

 消費税が増税され、確定申告をしている人は痛税感が強まったと思います。増税・複数税率の導入に伴って生じた新しい取引処理について、佐伯和雅税理士が解説します。

(1)ポイント還元

 政府が行うキャッシュレス決済によるポイント還元ですが、取引関係は図の通りです。つまり、事業者間取引は、本来の価格で今まで通り取引を記録し、補助金的な性格を有するポイント還元を雑収入で処理します。ポイント還元は消費税不課税の取引となりますから、値引き処理するよりも消費税は得になります。判断する基準としては、レシートに「キャッシュレス」と記されているか否かで、その記載に従って処理することになります。

(2)協同組合への委託販売取引(純額取引と総額取引)

 複数税率制度の導入により、軽減税率対象商品(食料品等)を扱っている事業者で、委託販売等をしている人の取り扱いに変更があります。今までは課税売り上げの算定に純額取引(販売手数料を控除した価額を課税売り上げとする)が認められていましたが、販売手数料を控除できない総額取引での計算しかできないことになりました。複数税率導入前と全く同じことをやっているのに、課税売り上げが1千万円を超え、消費税の納税義務者となる人が数多く発生することになります。
 複数税率制度によって、小規模事業者が消費税の納税義務者となることで、生活や生業に深刻な影響が出ることが心配です。このような悪影響を及ぼす複数税率制度は廃止し、当面、消費税は5%に戻すべきです。
 他方で、軽減税率対象商品を扱っていない場合には、今まで通り純額取引で計算した金額を課税売り上げとすることができます。

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