滞納税を誠実に納付していたのに…突然の公売予告 民商に相談し撤回させる|全国商工新聞

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名古屋南民商美容業の会員 滞納処分の停止も求め

 「国税局から『美容室兼自宅を公売する』と言われた時は、この先どうなるか不安だった。自分一人では何もできなかったと思う。民商の仲間がいてくれたことに感謝している」―。こう話すのは、名古屋南民主商工会(民商)の川田豊さん(仮名)。長年にわたって滞納税を誠実に納付してきた川田さんに対し、名古屋国税局は突然の公売予告を通知しました。川田さんは、民商に相談し、国税局に要請して公売の白紙撤回と謝罪を勝ち取りました。

 川田さんはこの間、20年以上前に滞納していた源泉所得税や消費税などを熱田税務署と相談しながら分割納付してきました。ところが、延滞税が膨れ上がり、滞納総額が1千万円を超えると、熱田税務署は、名古屋国税局の滞納整理課に債権を機械的に移管しました。
 数年前から腰や股関節などの病気のため入院や手術を繰り返してきた川田さん。2年前にはがんも患いました。その後、障害者認定を受け、精神的にも不安定になり、介護を受ける生活で、かろうじて土日に営業し、そのため、収入はほぼ無い状況でした。
 そんな中でも、毎月1万円の分納を続け、滞納額は本税で約24万円(延滞税は1200万円)までに減少し、あと少しで完納のめどが立っていました。
 6月に入って、新たに担当となった名古屋国税局特別整理第3部門の職員2人が突然、「公売予告通知書」を持って川田さんの美容室に来店。歩行困難な川田さんに、勾配がきつい階段で2階を案内させ、どう喝ともとれる声でプレッシャーをかけたり、勝手に居宅の写真を撮るなどしました。2人は、川田さんの体調や商売の実態に耳を傾けることもなく「公売すれば、滞納額は納付できる。余ったお金を持って区役所に住居を探しに行けば?」などの言動に終始し「5日後までにどうするか、返事をするように」と言い捨てて帰りました。
 川田さんから相談を受けた民商は、愛知県商工団体連合会(県連)とも協議した上で、名古屋国税局に対して、職員の不当な対応についての謝罪と、滞納処分の執行停止を要請し、その場に納税者支援調整官の同席を求めることにしました。
 要請当日、応対した課長補佐と納税者支援調整官は、2人の言動について「大変申し訳ありませんでした。改善するよう指導します」と謝罪。「国税庁も相談窓口を設けているが、障害がある人に対して、必要な配慮をするのは当然のこと」と、川田さんへの対応が不適切だったことを認めました。
 後日、別の職員3人が川田さん宅を訪問。「川田さんの体調が最優先」と強調し、営業や生活実態の聞き取りをした結果①公売予告通知は、いったん白紙に戻す②これまで通り毎月1万円の納付でよい③担当者も交代する―ことに。しかし、要請した滞納処分の執行停止については「私からは何とも言えない」との回答でした。
 民商では、これからも川田さんを支え、滞納処分の執行停止を求めていくことにしています。

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