オンライン税務調査の課題 TCフォーラム総会&講演 AIに統制を|全国商工新聞

全国商工新聞

講演する石村耕治代表委員=16日、国会内

 全国商工団体連合会(全商連)も参加する「TCフォーラム(納税者権利憲章をつくる会)」は16日、国会内で第34回定時総会と記念講演をオンライン併用で開催しました。会場には20人が参加し、全国56カ所で視聴されました。
 代表委員の石村耕治・白鴎大名誉教授が「国税庁が開始する『オンライン税務調査』とAI透明化の課題」とのテーマで記念講演しました。
 石村さんは、国税庁が進めている「オンライン税務調査」の導入や、新システム「KSK2」(国税総合管理システム)への移行、税務行政のデジタル化で中心的な役割を担うAI(人工知能)の問題点を告発。「税務調査は、対面からオンラインへの切り替えが進んでいく。その下で、中小業者や税務専門職の間で、デジタル格差が一層深刻化する」と指摘しました。
 AIによる税務調査先の選定が先行する米国での、AIの情報処理手順(アルゴリズム)の公正性や透明性を確保する取り組みを紹介。「議会の監視や情報公開法による市民監視、公平性評価の実施などが『AIガバナンスポリシー』として明確な米国と比べ、日本には外部統制システムが、ほとんど存在しない」と警鐘を鳴らしました。
 参加者から「AIを活用した調査選定システムへの向き合い方は?」「税務行政のデジタル化が進む下で納税者の権利をどう確保するか?」などの質問が出されました。石村さんは「AIの進化に人間が降参するのではなく、人間や人知による統制とガバナンスの確保がますます重要になっている」と強調。デジタル化に対応した納税者の権利保護を①各種デジタルシステムに対する「法の支配」と「人間の支配」の強化という政府や行政側への対応②苦情の申し出や救済手続きの制度的保障という納税者への措置―という「二つの面から整備していく必要がある」と提唱しました。
 総会では、2025年度の活動方針を確認。代表委員として鶴見祐策(弁護士)、益子良一(税理士)、石村耕治の3氏を選出しました。衆参4議員(国民2、立民1、共産1)からメッセージが寄せられ、河村たかし衆院議員(無所属)、小池晃(共産)、ラサール石井(社民)の両参院議員があいさつしました。

購読お申込みはこちらから購読お申込みはこちらから