「地元の優良企業だった建設業者が資材不足で工事が中断し、廃業した。一刻も早く中小業者支援を」「仕事の無い従業員から『アルバイトをしてもいいか』と聞かれ、つらい思いをしている仲間もいる。国に、現場の切迫感を伝え、緊急支援を求めよ」―。ホルムズ危機による事業者への深刻な影響が広がる中、各地の民主商工会(民商)や県商工団体連合会(県連)は「つぶされてたまるか」と自治体に要請。全国商工団体連合会(全商連)の「ホルムズ海峡封鎖等による影響緊急調査」結果も示し「住民福祉の増進」(地方自治法第1条の2)を担う自治体の役割発揮を求めています。業者の切実な訴えが「国の動向を注視する」との姿勢を動かし「独自の支援策を検討する」と回答した自治体も。地元メディアも注目しています。
大分市 「施策を考えたい」 大分民商 直接支援すぐに

「ホルムズ危機の影響は全業種、全市民に広がっている。『今、何ができるか』真剣な検討を」―。大分民商は5月25日、大分市に「ホルムズ海峡封鎖等の影響による中小業者の経営危機の打開を求める要請」を行い、役員や会員、商工新聞読者など9人が参加しました。OBS大分放送と大分合同新聞、しんぶん赤旗が取材・報道しました。
冒頭、井上昌雄会長=一般建築、内装=が「税や保険料の猶予・免除」「ガソリンなどの負担を軽減する直接支援」「雇用調整助成金の拡充」など5項目の要請書を読み上げて手渡しました。その後、参加者が実態を告発し、市としても、緊急支援を講じるよう求めました。
参加者は「従業員に給料を払うため、生活費を削らざるを得なくなっている。給料への補助があると助かる」(防水)、「材料が入らず、明日からの仕事のめどが立たない仲間もいる」(内装)、「オイルが入らず、最終的に困るのはユーザーだが、声を上げられずにいる。私たちの声は、市民全体の声と思ってほしい」(自動車整備)、「材料の値段が、いつまた上がるか分からない。高めの見積もりを出さざるを得ず、顧客との信頼関係が薄れてしまうのではないかと心配している」(建築塗装)、「パイプが高くなって、以前の1・5倍に。せめてガソリン代の補助を」(設備)、「ガソリン・軽油が上がって大変。1円でも安くなるよう努力しているが、不安でたまらない」(運送)などと訴えました。
市側は当初「国の動向を注視しながら」との回答に終始していましたが、参加者が「『わがこと』として考えてほしい。全業種、全市民に影響が広がっている事態を受け止め、今何ができるか、一緒に真剣に考えてほしい」「物価高騰対策のプレミアム商品券だけでは、市民全体に行き渡らない。他の施策の検討を」と重ねて訴えました。市側は「今日の皆さんのご意見を伺って、中東情勢も踏まえ、市の施策を考えていきたい。国や県にも、必要であれば意見を上げていく」と回答しました。
民商では、今後も会員の実情を集め、行政への働き掛けを強めていこうと話し合っています。
愛媛県今治市 「できること検討」 今治民商など 「地場産業救え」

愛媛・今治民商と「平和と民主主義、地域経済とくらしを守る今治地区各界連絡会」(各界連)は5月20日、今治市に要請書を提出し、中小業者を守る施策を実施するよう求めました。民商の三役や事務局員、各界連のメンバーら12人が参加し、市から産業振興課や市民参画課など7人が応対。NHKと愛媛朝日テレビがニュースで報じ、会外業者から民商への問い合わせもありました。
民商の御堂耕三会長=タオル縫製=が、産業政策局長に6項目の「要請書」を手渡し。各界連の田部浩三会長(民商事務局長)が「コロナ禍では、飲食と宿泊関連業者が特に大変だったが、今回の資材不足は、全ての業界・業種に広がっている。地場産業の造船・タオルをはじめ、多くの業種に影響が出ており、自助努力では困難を打開できない。資金繰りや雇用維持の方策を、市として実施してほしい。国に対しても進言を」と求めました。
参加者は「シンナーやペンキの入荷が遅れ、船の引き渡しに影響が出ている」(造船関連)、「資材が入荷できない。”ローコスト住宅”の建築費が2倍になっている」(建築土木)、「包装用の袋、ひもが入手困難だが、値上げはできない。小規模な業者は、どうすることもできない」(タオル縫製)などの窮状を訴えました。産業政策局長は「ご紹介いただいた状況をはじめ市内事業者の声を聞いており、市としてできることを検討していきたい」と表明しました。
各界連の田部会長は「中小業者は、地球の裏側で起きている戦争によって苦境に立たされている。争いは、武力ではなく、話し合いで解決すべきだ。一人の業者も取りこぼさない施策を」と重ねて強調しました。
福岡県 「貴重な意見」感謝 福岡県連「夏まで待てぬ」

「既に廃業した建設業者もいる。福岡県として、一刻も早く支援策を出してほしい」―。福岡県連は5月20日、福岡県商工部との懇談に5人が参加。「ホルムズ海峡封鎖等の影響による中小業者の緊急事態の打開を求める要請書」を提出しました。日本共産党の真島省三・元衆院議員が同席しました。県側は「商工部だけでなく全部局、国の出先機関とも対策会議を開き、情報収集に努めている。今回は、業者の貴重な意見を聞かせていただき、ありがたい」と述べ「夏の全国知事会で、国に対する要望の大きな柱となると思う」との見解も
示しました。県連の田口剛史会長=建築塗装=は「シンナー、接着剤が入らず、来月以降の見積もりができない」「優良企業だった知り合いの建設業者は、資材不足で工事が中断。従業員の給料が払えず、廃業した」と告発。長野洋三副会長=中古車販売=は「エンジンオイル、ブレーキ液が入荷できないので、車検ができない」と訴えました。吉原太郎事務局長は「広範な事業者に既に影響が出ている。夏まで待っていては遅い」と、一刻も早い支援策を迫りました。
「コロナ禍で実施した持続化給付金のような支援策を国に要請していただくこと」という要請項目に対して、県側は「国が自粛要請を出していない中で、直接支援を求めることは難しい」と回答。真島氏が「先進技術を開発するベンチャー企業などには補助金の名目で、多額の直接支援を行っているではないか。中小業者には直接支援できないという道理はない」と強調しました。
懇談では、県の相談窓口に、10件ほどしか相談が寄せられていないことが判明。相談窓口の周知に力を入れることや、融資や県税支払いの窓口でも、資金繰りに困っていないかを聞き取り、減免制度の活用などを積極的に紹介することを要望しました。
宮城県 「”生の声”初めて」 宮城県連「国待ち」せずに

「『国待ち』の姿勢を改めて独自施策を実施し、中小業者を守れ」―。宮城県連は5月18日、宮城県に「ホルムズ海峡封鎖等の影響による中小業者の緊急事態の打開を求める」要請書を提出。重点支援地方交付金を活用した中小業者への直接支援▽工場・家賃・リース料などの固定費補助▽既往債務の凍結や新規融資制度の創設▽地方税や国保料・税の猶予や免除など5項目を求めました。県連の役員ら13人が参加し、日本共産党宮城県議団の3人も同か席。khb東日本放送と河ほく北新報、しんぶん赤旗が取材・報道しました。
県連の三戸部尚一会長=印刷=が「県内の事業者は東日本大震災、コロナ禍、物価高騰に続く『四重苦』だ。『国待ち』にならず、対策本部の設置など、県としてできる支援の実施を」と訴えました。
参加者は「受注があっても、塗料が仕入れられないので請けられない」(塗装)、「仕事の無い従業員から『アルバイトを始めてもいいか』と聞かれ、つらい思いをしている同業者もいる」(建築板金)、「3月からオイル関係が2倍に値上がりしたが、倍額は請求できない。修理部品も足りず、従業員をどうやって守ればいいか考えると、眠れない」(自動車整備)など、切々と話しました。
県商工観光課は「事業者の”生の声”は今回、初めて聞いた。深刻な状況は理解したので、今後、何ができるか検討したい」と応じました。
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03-3987-4391







